『劇場』

ものすごく久しぶりに映画の感想書きたくなった。

これ、今日から映画館で上映開始した『劇場』なんどけど、なんとAmazonプライムでも配信が始まりまして。King Gnuの井口くんが出演してるってことで、なんとなく気にはなっていたんだよね。ちょっと尺が長かったので躊躇しつつも…観始めたら止まらなくなった。これは、誰もがどっかで経験したことのある何かが詰まっていた。切なかった。

序盤はクズすぎる永田より純粋すぎて鬱陶しい沙希にイラついている自分が居て、それはたぶん自分が永田に似てる部分があるからだと思う。自惚ればっか強くて…プライド高くて…めんどくさいことから逃げてばっかり。他人より自分が大事で、でも寂しがり屋で呆れるほど打たれ弱い。永田は沙希にだけ弱い自分を見せることができたんだろうな。自分の歩幅に合わせてくれて、くだらない話も一生懸命聞いてくれて、いつでも一緒に笑ってくれる。自分が唯一自分で居られる安全な場所…それを壊してまで夢を追いかけてしまうって、良くも悪くも自分勝手すぎちゃうんだよな。沙希にとって厄介なのはそういう永田を好きになってしまったことで…。でも、たぶん彼女はそういう永田じゃないとダメなんだと思ったり。

始めは心から笑っていた沙希の笑顔が、どんどん偽物っぽくなっていくのが悲しかった。あんなにウザいと思っていた彼女が、どんどん弱っていくのを見たくなかった。もっと早く永田になんか見切りつければいいじゃん…って思いつつ、その渦中にいる時は冷静な判断なんてできないんだよな…って、あの頃を思い出した。

後半の自転車二人乗りとラストシーンはアホみたいに泣いた。ラジオで井口も嗚咽した…って言ってたけど、私もそれに近いものがあった。なんかズルいんだもんな…山崎賢人のちょっとぎこちない台詞回しが余計に永田を強調するって言うかさ。少し嘘くさく聞こえるのが、やけにリアルな気がしちゃって。自分を信じきれない自分が不安なんだろうな…なんか上手く言えないな…。


あ、井口の登場シーンよかった!意外とキーパーソンになる役柄で。どうにも永田寄りで観てしまうけど、ああいう苦い思い出ってザワザワしちゃう。やっぱり、色んなところで自分の痛い思い出を重ねてしまう。久しぶりにセンチメンタルな気持ちになってしまったな。いい映画。


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