マガジンのカバー画像

こころの処方箋

75
色と香りが織りなすカラーボトルカウンセリング「和み彩香」 思わず出てくる本音にそっと寄り添います
運営しているクリエイター

2022年2月の記事一覧

向田邦子の恋文

向田邦子の恋文

「向田邦子の恋文」 
   - 向田和子 -「新潮文庫」

出来れば人は傷つきたくないと本能で恐れ
時には自分の身を護るため
自分の心さえ封印してしまうものだけど
人としての内省的成長は
自分の心に傷をつけ
皺ひとつなかったつるっつるの細胞に陰を刻み
細かい感情のひだが出来ればこそ
世事の機微をかすめ取ることができる…

そういうことでしかなかなか深まらないのかと思うのです

「向田邦子の恋文」

もっとみる
人は人の哀しみに寄り添いきることは出来ない

人は人の哀しみに寄り添いきることは出来ない

18の春、哀しくても忘れまいと思ったことがある。
「人は人の哀しみに寄り添いきることは出来ない」のだと、

彼女は高校3年の初夏、最愛の父を亡くした。
家族3人、傍からみても羨ましくなるほど仲のいい親子、お父さんを中心に母、娘全幅の信頼で父に頼り寄り添っていた。
そんな家族に起こった突然の訃報。残された母、娘はその現実を受け止めることも出来ず立つこともままならず、私達もかける言葉も見つからず、ただ

もっとみる
「自分で自分を超えるとき」

「自分で自分を超えるとき」

その夜仕事から戻ると
娘が私を待ち構えたように出迎えてくれた
「遅くなってごめんね」
と一言、彼女から唐突に渡されたのは細長い小箱
そのラッピングからして
一目で専門店のジュエリーの包装だと分かる

「遅くなった」の断りは、私の誕生日プレゼントだという
いやいやすでに半年以上経ち
地球一周で例えればブラジル方面までいってますけど・・・

そんなおふざけな発想とは裏腹に
中に入っていた物は私好みのペ

もっとみる