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弓張月(山下弓)
2022年6月23日 21:44
それは「毒」という名がついた香水詩人 ポール ヴァレリーは「香りは心の毒である」と詠ったプラム、バニラ、コリアンダー、アニス、ジャスミン、白檀、紫檀、月下香、、シナモン etc・・・様々な成分を絶妙にブレンドさせたというこの香水は、元のそれぞれの香りを想わせる気配は微塵もない爽やかなバニラが似合う恋もした耐え忍ぶ月下香のような別れも味わった白檀の香りが似合う淫靡な遊びもしてみた
2022年6月17日 09:24
学生時代、傘は持たないことに決めていた私は「晴れ女」だからあなたにここぞという時にピカピカのお天道様ををプレゼントできるそんな女神でいたかった彼は私と違ってとても慎重ディバッグの中に必ずしのばせてあるのは折り畳み傘ふいの夕立でも自分の役割は心得ていると言わんばかりに手品師のように傘を取り出して傘を差し向けてくれる少し小さめの空間に肩を掴まれてすっぽり収まるそんな儀式がた
2022年6月11日 07:49
激しい雨音で世界が遮断されたような昼下がりの午後貴方のことを想いながら考え事をするには十分だった「ダ・イ・ス・キ」一つ一つの言葉を舌の上で転がしてみるの囁くようにつぶやけば漏らす息と共に甘さだけが耳元に残る溢れ止まないこの想いを葉っぱの上できらめく水滴のように葉脈を辿って集めては一気に飲み干してしまいたい首筋をそっと指でなぞれば喉元は大きくゴクリと喉を鳴らした
2022年6月6日 23:50
今思い出しても、切なさで胸が少し傷むのですが人を想うことに臆病になった時がありました心に何重もシールドを張り「攻撃は最大の防御」だと哀しみを忘れるために心に蓋をして友と会えばふざけることですべてを笑いとばし、あたりさわりのない会話で今日を一日やり過ごしていたバイトを7つ掛け持ちし心が危うく流れ出してしまわないよう作業で時間をつぶしていっていたあの頃そんないびつな心を溶かしてく
2022年6月2日 09:01
背中の窪みをなぞられて指を下から上へと書きあげられる度そこだけ軽い掻き傷が出来たように赤い筋が浮き上がるのですこれは麻薬か媚薬なのか脳の一部がマヒしてくるの少し歪ませた表情から薬指の震えを他人ごとのように眺めながら自由に動けるはずと分かっていても見えない糸が私を縛ります忘れていたはずなのに指先から感じる体温を身体が覚えていました都合の良く自分が見えないということは一瞬