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日記:3月28日 時代が変わる音が聞こえる

リアリティTV出身の大統領が、「やってますよ」感を演出するために、抗マラリア薬のリン酸クロロキンがコロナウィルスに有効である、FDA(医薬品局)にも承認されていると、嘘をついたことで、それを鵜呑みにしてリン酸クロロキン服用した男性が死亡した。

<ブラック・ミラー>のエピソード顔負けのディストピア感にたじろぐ。嘘をつくことは今に始まったことではないが、国民の命がかかっているときに、自分の得点稼ぎを優先し、実際に人が命を落としたのである。

こんなときまで?なのか、こんなときだから、なのか、コロナウィルスをめぐるミスインフォーメーションが半端ない。特に、当初、コロナウィルスを「民主党のでっちあげ」と主張した極右の言論サイトは、いまだに誤情報をまきちらしている。危機に晒されているのは、右派の支持層なはずなのだが、実際、彼らの中には「経済続行」組がいるのだから、そうなるのだろう。

大統領の口から出る嘘が人命を左右する事態となって、報道機関は、大統領の記者会見やブリーフィングの扱いに困っている。ファクトチェックを済ませるまでは、エアタイムを与えないことが選択肢として検討されているが、大統領のブリーフィングはヒット必至なのだ。2012年の大統領選の悪夢、再び、だ。

が、今回は、その議論が、リアルタイムでオープンに行われている。ついにメディアがテレビスターからマイクを取り上げることを検討し始めた。敵がウィルスなだけに、ミスインフォーメーションは深刻だ。今日、ルディ・ジュリアーニのTwitterアカウントが、凍結された。

とにかく、時代が音を立てて変わる音が聞こえる。今、目の前で(スクリーン上だけど)、人類の歴史を変える大事が起きているのだ。

危機は、想像もしなかったヒーローを生み出した。どちらかといえば、ズブズブの利益代表選手、マッチョな旧世代の男性というイメージが強く、エンパシーとはほど遠い存在だったはずのアンドリュー・クォモNY州知事が、国民的なヒーローになりつつある。

ニューヨーク・タイムズのコラムニスト、モーリーン・ダウドが、「我々の恐怖や喪失、狂気を生き抜く道を、説き導いてくれる国民的セラピスト」と呼ぶのを読んで、はっとなった。ニューヨーカーたちは今、クォモを追うことで、互いにつながり、恐怖や悲しみを共有することで、この危機を乗り越えようとしているのだ。

ウィルスは、全人類に対し、ひとつの共通の課題を投げた。団結すれば、解決できるかもしれない。政府や企業や人々が協力しあわなければ、犠牲は大きくなるかもしれない。

けれどきっと、この危機のおかげで、たくさんの人がエンパシーというスキル(他人の痛みと共感することのできる能力)を得るのだろうと思う。人種も、国籍も、信じる宗教も違う人たちと、不安や恐怖をわかちあっているのだ。クォモが、冷たい政治家から、国民的セラピストに脱皮するくらいなのだから。

★まだ見ていらっしゃらない方のために:

1)薔薇マークキャンペーン

https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/pamphlet.pdf

2)新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ(経済産業省)

3)私の夫、赤木俊夫がなぜ自死に追い込まれたのか。有識者によって構成される第三者委員会を立ち上げ、公正中立な調査を実施して下さい!

4)新型コロナウイルス感染拡大防止のための文化施設閉鎖に向けた助成金交付案 /




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