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日記:4月5日 コロナ日報 食料は大丈夫なのか

アメリカでパニック買いが始まったとき、「みなさーん、食料品は大丈夫ですから!」という食品業界やFDA(食品医薬品局)からパニック買いを食い止めようとする声が聞こえてきたので、うっかり安心していたが、数週間もすると、新しい状況が新しい問題を作り出しているようで、ちょいちょい「食糧供給不安」の言葉を見かけるようになった。

国連が、今の方法では、サプライチェーンが危ないという見解を出しているのではないですか。

コロナウィルスは、私たちが生きる世界の隅々の仕組みをぶち壊して周っているが、食料品の流通も、その大きな一例である。

レストランに商品を卸してきた農家が、売る相手を外食から小売にシフトすることで事業を守り、また食糧の供給を安定させるために、サプライチェーンの変更が起きた。食品小売業界が、今までよりも少ない頻度で、一度にまとめて食料品を買うという消費者の新しい買い物習慣にアジャストする間、国境の封鎖、税関のセキュリティ強化、国際線の便数の減少などによって、国境を越える果物や野菜の流通経路が、様々な場所で遮断されている。コロナウィルスによる病人の増加と、国境封鎖で人の移動が難しくなったことによる農業における人手不足が予測されている。

(そして、移民たたきで支持を伸ばしたはずのトランプ政権でさえも、シャラっと短期の労働ビザの制限を緩和している。こういうときには移民に頼るんですよね、結局)

一方で、閉鎖された大学の寮や外食チェーンが買う予定だった食糧が、大量に廃棄されてもいるという。

コロナウィルスのおかげで、この世の中が、複雑に入り組みあったサプライチェーンの線でできていたこと、いかに多くの物が、日々、国境を超えてきた人や物資によって成立してきたのか、ということがよくわかった。


私が1ヶ月になろうとする隔離生活を、食べ物の心配をせずに続けていける裏には、今この瞬間も、いろんな方向から飛び出してくる問題を解決しようとしている人たちの努力があるのだということがよくわかる。

今のところ、うちの周りは、食糧はふんだんにある。近所の農家が、野菜を売ってくれる。それでも、ワシントン州で食糧危機が起きるかもしれないなどと読むと、そろそろ真剣に保存食の準備や家庭菜園を始めるべきなのだろうかと考えてしまう。


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