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5月27日 郵政公社を救え

誰とも会わない生活をしているが、一人だけ毎日顔を見る人がいる。それは山の深いところまで郵便を届けてくれる配達の女性である。こういう生活をしていると、彼女の顔を見るだけでもほっとする。ところがうちに届くのは、何度やめる手続きをしてもやってくるバルクのジャンク・メールがほとんどである。ビジネスとして非常に効率が悪いことはよくわかる。

アメリカの郵政公社USPSがヤバいことになっている。このままいけば、秋には資金が枯渇して営業を続けていけなくなるという。

初めてアメリカに来たとき、郵便局に行って驚いた。まずいつも長い列ができているし、効率がとにかく悪い。たくさんの人が待っているのに窓口の人がのんきにおしゃべりしたりしているので唖然とした。今でもよく荷物が行方不明になる。半年も経ってから届くようなこともあるし、そのままなくなって出てこないことだってある。うちの近所の郵便局は、とにかくダメだと有名で、イライラするニューヨーカーに混じって長い列に並ぶだけでけっこう辛い。暴動が起きるのでは?と心配になるほどである。

ところが歴史を辿ってみると、郵政公社には、アメリカでもっとも愛される公共の組織だった時代があるらしい。そういえば、90年代に、そんな郵政公社のルーツを題材にした映画があったな、と思い出した。

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