12月29日〜1月4日 ニューヨーク・アップステート
＊7日分の日記をまとめてアップしています。初月は無料です。
１２月２９日
午後、友達のリッチがスマートカーで迎えにきた。前日、連絡をしあっているときに「サウンドバスのセッションをクリスマスプレゼントする」というありがたい申し出をいただいた。ちょっとしたフェイバーをしてあげたことのお礼のつもりのようだった。こういうギフト、最高だ。
リッチは自分へのクリスマスプレゼントとして、この電気カーを買ったのだという。値段を効くと、なかなかの額である。リスポンシブルに生きるのにはお金がかかるのだ。 一度のチャージで、走る距離は５０マイルくらい。ニューヨーク市内をウロウロするには問題ないだろうが、チャージのタイミングはわりと難しい。自分が運営するスペースに充電ステーションを作ろうとしているが、それができるまでは、充電ステーションを持つ駐車場でチャージしなければいけないという。どこにあるかはアプリでわかる。ところが、テスラのそれと形状が違うコンセントを理解していない駐車場があるのか、無事に形のあうステーションがあったのは３度めにトライした駐車場だった。そういえば、最近、NYPDもスマートカーを使っている。
スタジオに向かう途上、近況報告が終わったので、「最近、何かいいポッドキャスト聴いた？」と水を向けてみた。ここのところ、多くのレギュラー番組で、年末のおやすみのために「今年のベスト」と聴いたものばかりをやるので、フレッシュなコンテンツを求めているのだった。
ビクラムのやつは聴いた？とリッチが聴いてくる。ESPNの30for30というショーで、ビクラム問題を扱っていたのだった。ポッドキャストのアプリにセーブした。
サウンドバスのセッションをリードする先生は、何年か前まで、ビクラムヨガを教えていたという。彼女もリッチも、いまだにビクラム・チャンドリーが世の中に送り出した「ビクラムヨガ」を実践している。最近の暴露ドキュメンタリーによれば、ビクラム・チャンドリーが「自分のもの」として世の中に出したヨガのシークエンスをもともと考案したのは、ゴーシュさんというビクラムの師匠だったという。今、「あのヨガには罪がない」として、ビクラムが商標を持つシークエンスを「ゴーシュヨガ」と呼ぼうというムーブメントがあるらしい。
サウンドバスは、自分がまさに必要としているものだった。インストラクターのAさんが、チベットのクリスタル・ボールに水を張ったものに棒をあてて音を出す。そうすると、水が波動に反応してパチパチと弾けるのである。これまでもサウンドバスが良い、ということは理解していたが、人間の体は水でできている、だからこの音の波動が体に良い、弾ける水の姿を見ながらそう言われると説得力がある。
Aさんの「今日、私にとって、これが10年最後のセッション」という言葉で、今、まさにdecade（10年）が終わろうとしていることにはっとした。
ここしばらく、ヨガは自分ひとりで実践するか、友達のマリアナの指導のもとでしかやっていなかった。大人数のクラスの始めに「オーム」という自分の声が他の何十人の人の声と呼応するさまを久しぶりに体験して、そうだ、グループクラスというものは、エネルギーが呼応する様が素晴らしいのだったと思い出した。
サウンドバスの後は、一度帰宅して、先送りしていた年末の大掃除に着手した。今に始まったことではないが、持ち物の量がやばい。しばらく着ていないワークウェアのカバーオール２枚を卒業して、処分しようかと考えたが、まだお別れできないような気がしたので、とりあえずディナーに着て出ることにした。
夕方、「オイルマン」（うちの大家さんは暖房屋のことをこう呼ぶ）がやってきて、暖房を直してくれた。ようやくまた人間らしい暮らしに戻った。こんなに寒いのに、暖房なしで暮らしている人は、この世界にはたくさんいるだろう。文明に感謝である。
夜ご飯は、グワノスにできた話題のベニュー／レストランPublic Recordsで。ライブをやっているときもあるが、ヴィーガンの食事も美味しいと聞いていたので、亡くなった元だんなの妹と、年末のディナーをすることになっていたのだった。私がまともにホリデーのお祝いをやらないのを知っているミリアムは、「これはクリスマスプレゼントじゃないよ」と、庭で育てたセージを乾燥させたものをくれた。「来年のプロスパリティ（繁栄）」のために。ありがとう。
昨今のデーティング事情の話題になった。彼女の世代のシングル女性たちの多くが出会いアプリを使っているが、男たちはカジュアルな出会いしか求めていない。要約するとそんなところだ。出会いアプリというものが、われわれの文化に及ぼす長期的な影響について考えると怖くなる。
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