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11月15日 cakesの再び炎上案件について/大統領選挙のゴタゴタを一度俯瞰で見てみる

今週末 cakesがまた炎上していた。編集部で企画を公募し、「ホームレスを取材する」というテーマで選ばれた企画を見てみたが、本当に悲しくなった。誰にでも起こりうる「家をなくす」という不遇に陥った人たちを、特殊な生態の人々を観察するような目線で描く軽い文章で、メディアとして存在する組織が、これを「編集」して掲載したことにはつくづくがっかりした。

この世の中に家を持つことができない人たちがいる、という現象は何も新しいものではないけれど、アメリカ中のホームレス人口は増加の一途を辿っている。。家賃が高騰したり、不景気で職がなくなったり、身体を壊したり、個人的な不運や事情が重なって、ということもあるだろう。

余談だが、今回の選挙で当選したミズーリの次期下院議員、コリ・ブッシュはプログレッシブの期待の星だけれど、ホームレス生活を体験したことがあることを忌憚なく語っている。

私はホームレス問題の専門家ではないけれど、初渡米のときに、スープキッチンでボランティアをしたこともあるし、会社員時代には、何度かホームレス問題を取材した。その経験から、家をなくす、ということが誰にでも起きうるということくらいは理解できる。

だから、この記事の一見無垢なように見えるカジュアルな特権意識を見過ごすことができない。

例の「 作家が相談者であるDV被害者を嘘つき呼ばわりする」という事件が起きてから、まだ1ヶ月も経っていない。そのときに、自分なりにいろいろ考え、こんなポストを書いた。

要望と質問をまとめていたら、編集部からヒアリングしたいという要望を頂いたので、ちょうど先週、面談をしたところだった。経緯や起きた理由も聞いたものの、結局のところ、深刻な社会問題であるDVについて何の知識も持たない編集長が、自覚なく「編集」して掲載した、という事実には変わりなく、また発表した謝罪も、世のDV被害者に謝るどころか、自分の責任を主張するあまり加害者をかばう内容で、謝る方向が違う、という指摘をしたが、正直、理解してもらえたのかはわからなかった。これからの変革に期待しようと思ってきたところに、さらにこの新案件である。

前のポストを書いてから、多くの読者にとって、cakesとnoteが同じ会社に運営されているということが意外と知られていないこともわかったのだが、みなさんが私の文章を読むために支払ってくださるお金のなかから、小さいとはいえない金額が手数料として支払われる。そう考えると、これはあまり気分の良いものではない。そこで前回の事件から少しずつ準備を進めてきた本格的移行を、これを機会に実行し、別に走らせていた週1度のニュースレターと、noteのマガジンを統合し、週に3〜4ポストするニュースレターに切り替えることにした。散々いろいろ検討したのだが、プラットフォームは、Substack.comを使ってみようと思う。無料のポストもしていくつもりなので、興味のある人は、登録していただければと思います。

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