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4月21日 コロナ時代とグリーンカード

今日の最大のニュースは、「トランプ大統領が移民法の実施を停止」だった。ブレイキングニュースには、"suspend immigration"という文言がおもに使われていたが、その後、コロナ以降、人の移動ができなくなったことで人手不足に苦しむ業界から強い抗議を受けて、要はグリーンカードの給付を一時停止する、ということに落ち着きそうなのだが、大統領にこの措置を取る法的権限があるのかどうかを、これから司法省が検討するのだという。多くの人が影響を受けることなだけに、普通だったら、合憲かどうかを先に検討して発表するのが適当なのだろうが、そういう大統領ではないのだからしょうがない。


そういえば、昨日も、ソーシャル・セキュリティ番号(納税者番号)を持たない配偶者と結婚しているアメリカ市民が、現金給付を受けられない可能性が取りざたされていたのだが、こういうことが憲法的に許されるのだろうか。

こういう問題は、おそらく実現する前に、人権団体などが訴訟を起こし、裁判所で決定されるのだろうと思うのだが、最高裁は議論を延期したんじゃなかったっけ?と調べてみたら、今週からライブストリームになっているのではないですか! 判事たちは、各自の場所から電話で参加し、それがライブストリームされているのだという。

裁判もリモート・・・できるんだ、そうだよね、できるよね。このスピード感、やっぱりアメリカだ。

今後、注目の案件としては、と書きかけて、最高裁の裁判はすべて重要に違いないことに気がつきつつ、特にコロナウィルスの問題と密に関係があるのは、ドリーマー(不法滞在の親に連れてこられたステイタスはないがアメリカ育ちの移民)の措置の問題である。

大統領の一番強固なベースは移民排斥を支持する層なだけに、支持率が下落する中で、移民法の引き締め策をちょいちょい差し込もうとするのは、自分の支持基盤へのアピールだというのは自明だとしても、このギャンブルは裏目に出そうな気がする。今。医療、農業、流通の現場で、たくさんの移民、たくさんのドリーマーたちが働いているのだから。

結局のところ最終的には「移民たちのおかげなのだ」というところで落ち着くのではないかと期待してしまう自分はナイーブなのだろうか。だって、シビアに必要なんだよ、人の力が。

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