見出し画像

日記:5月11日

検察庁法の改正には、1、改正する必然性がない、説明されてもいない。2、そもそも為政者に過度な権力を与えないために特別に検事総長に設定されている定年を為政者の都合で変えるとはどういうことか、という理由で大反対なのだが、それについて芸能人や有名人が発言することを叩く文化を見てげんなりしている。

そもそも、芸能をやる人は芸能だけやっていればいい、つまり、自分を芸で楽しませる人には人格や意見を持ってほしくないという、勘違いも甚だしい上から目線がどこからくるのかはよくわからないが、日本の大麻取締の歴史を見ると、文化的に根強いことがよく分かる。80年代後半から、徐々に大麻の取締が強化されるとともに、特に芸能人がターゲットにされ、「芸能人が乱痴気騒ぎをしている、けしからん」という世論が形成されるようになってくる。それに加えて、ワイドショー文化の浸透とともに市民たちの不満のはけ口に芸能人の不祥事が使われるようになり、そこから謝罪会見カルチャーができたのである。

アメリカにこのような謝罪カルチャーはないのだが、その理由は、エンターテイナーたちにとって、広告の出演が収入に占める割合が小さいことなどから説明される。が、それだけではないだろう。ハリウッドが伝統的に左派・社会主義・リベラリズムに寄っている背景には歴史的な経緯がある。

政治的な意見を言うのは当たり前だし、黙れ、と言われても黙らないのは、危険な歴史を知っているからだろうし、特にトランプ時代に入ってからは、「むしろ言うべき」という空気になった。長年、政治的な立場を名言してこなかったテイラー・スウィフトが候補者を承認したことも、その結果である。

↓前にこれについて取材された記事。

とりあえず、私は、今回のことで、改正法に反対を表明したエンターテイナーの名前をじーっと見て「覚えておこう」と誓ったのであった。

そして、自分の考えをはっきり表明することの重要性を改めて感じた。ひとりひとりの声は小さくても、こういうことははっきり拒絶していかなければならない。上から目線で「歌手やってて、知らないかもしれないけれど」とねっとり言ってきたおっさんに「相当失礼ですよ」と言ったきゃりーぱみゅぱみゅさんにリスペクト。

ここから先は

454字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?