旅をすることが難しくなりそうな今、旅をすることについて考えてみた
この何年も頻繁に国境を越えて移動する生活を送ってきたが、今回のコロナウィルスによる騒ぎで、計画していた台湾とタイへの旅を取りやめた。過酷な北海道ツアーの最中に、氷上フェスやスキーを盛ってしまい(めちゃくちゃ楽しかったので後悔はない)、さすがに疲れて、免疫低下を感じたため、「体調の優れない日本人」がやってきても迷惑だろうと思ったし、歓迎されないだろうと思ったのだ。
これに対する反応のなかには、「今、そっちの国は怖いよね〜」みたいなものをわりと多くて、ちょっとびっくりした。コロナ患者数の世界地図を見れば、この2国に比べたら、日本のほうが圧倒的に多いことは一目瞭然である。アジア諸国に対するそこはかとない上から目線は、無邪気なものかもしれないけれど、実は、こういう考え方が、日本の進歩を妨げている部分があるのではないかと思うからだ。
さて、今、私は、数日後にアメリカに戻る予定なのだけれど、それまでに、日本人に対する渡航制限や隔離措置が決まったりしたらとか、人種差別に遭ったりするのだろうか・・・と考え始めたら、しばらく日本に残るべきなのだろうかとか、一瞬、終わらないぐるぐるが止まらなくなって、はっとなった。まああれこれ考えてもしょうがないので、なるようになると思うしかない、という結論で落ち着いた。
こういうことが他人事でなくなったことで、この世の中には、日頃から、持っているパスポートの発行国や宗教などの理由で、自由に旅をすることができなかったり、入国を拒否されたりしている人たちがいるのだということが思い出された。そして、いつもの「自由に旅ができる」という状況も実はとても脆い基盤の上に立っているというということも。
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