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9月22日〜28日:LA、ニューヨーク、山の家

9月22日

何度やっても早くならないパッキング。今回は季節の変わり目で、夏物をごっそりニューヨークに持って帰るのでいつも以上に時間がかかる。途中ニューヨークの下條ユリちゃんからフェイスタイムがあり、おしゃべりしながらやっていたらギリギリの時間。
 羽田の国際線ターミナルは食べたいものがないので、最後のランチに母のカレーをリクエストした。野菜たっぷりのあっさりカレー。いくつになっても母の料理が一番である。
ニューヨークに直で帰る予定が、帰りにLAで取材をすることなっていた。エアを振り替える際に、オリジナルの航空券の都合でミネアポリス経由にしかできないと言われていたのだが、羽田に着くとミネアポリス便が遅れているという。乗り継ぎをミスると困るなあと声に出して心配したら、直行に乗せてもらえることになった。ラッキー。
 機内で「ロケットマン」と 「The Sun is Also a Star」を見た。前者はどうしても「ボヘミアン・ラプソディ」と重ねて見てしまう。イギリス人で、孤独な幼少時代があり、ゲイで、ロックスターになり、ドラッグとアルコールに溺れ、マネジャー(しかも同じ人)に利用される—- 元のストーリーにパラレルがあるだけにしょうがない。こうやって、これからもたくさんのロックスターの映画が生まれていくのだろう。
「The Sun is Also a Star」を見た理由は、移民法という現在特有の問題が軸になっていることと、自分はここのところニューヨーク愛が欠乏していること。映画は、かつては胸を熱くしたニューヨークの風景のオンパレードで、それなりに楽しんだし、筋書きもキャストもそこそこ、というすべてそこそこ程度の映画だった。ひとつ学んだのは、アメリカのカツラ市場を韓国が独占していたことがあるという豆知識ぐらい。あとで確認したら、Rotten Tomatosのレーティングが51%だった。長時間フライトの前にネットフリックスをダウンロードする習慣をいい加減身につけたい。
 そして、ニューヨークのご自慢の光景が満載の映画でも、自分のニューヨーク愛を再燃させることはできなかった。むしろニューヨークのおいしいところがすべてクリシェに見えてしまうそれは自分の問題かもしれない。何が足りないのだろう。
 LAに到着して、ホテルでアーリー・チェックインを済ませた後は、ヴィンテージのフェア、A current affairに行くことにした。前から行きたいと思いながらタイミングが合わなかったフェアに、直行便の振り替えで行ける時間ができたのだ。
 今回の宿泊は仕事の都合でハリウッド。ホテルを出ると、隣に地下鉄がある。思えばLAの地下鉄は意外に便利だよ、と聞くことはあっても、乗ったことがなかった。グーグルマップで調べると、ダウンタウンの目的地まで、車で行くより早い。乗ってみることにした。運賃はApple Payで。地図の案内がちょっとわかりづらく、電話が通じない瞬間があって人に聞いたくらい。
  フェアに行ったはいいが、自分は今、突然の大きな出費が続いて、金欠である。ブースを出していた友達のジェイミーに「金欠だから今日は買わない」というと、バカか、という顔で、「じゃあなんでこんな辛いとこにわざわざ来たの」と呆れ声を出された。お金が使えない身には拷問なフェアであることは間違いはない。けれど、ビンテージの醍醐味は買い物だけではない。アフガニスタンの結婚衣装とか、サウスウェストの民族衣裳、80年代のKansaiなど、着ないけれど見るだけで楽しいものがわんさかあるのだ。すっかり堪能し、友達のブースでさんざん油を売って帰ってきた。
 夕食はrepubliqという店にて。窓に向かって座っているときに、アダム・サンドラーがやってくるのを見た。

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