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Inner Sakumag アーカイブ

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2019年から2020年の終わりまでの期間に書いたセルフケア、セルフケア、人生修業をテーマにしたマガジンのアーカイブです。
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#エッセイ

世界が変わる、自分を変える

2ヶ月前には存在すら知らなかったコロナウィルスが、世界を変えた。 これまで私たちの人生を変えたテロや金融危機や大地震と、今回が違うのは、何か決定的な事件が瞬間的(または短期的)に起きたわけではなく、目に見えないウィルスというものが、じわじわと広がり、国境や人種を越えて、人を病気にしたり、殺したりしながら、世界中に広がったというところだろう。 じわじわとやってきたから、それに順応するペースは、場所によって違う。それぞれの国の政府の対応にはお国柄が出るし、未曾有の危機を前に「こ

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野望はあったほうがいい

常々、自分に決定的に足りないと感じているものがある。野望というものだ。野望、と書いてみて、ん? ちょっと違うかも、と思った。私に足りないのは、もしかしたら野望というほど大きいものではないのかもしれない。まあ、つまりは「もっと!」と思う気持ちである。 そして、それをなんとかしろと言われてるのだろうか、と思うことが立て続けにあった。それも3つも。 ひとつめ。何ヶ月か前に、ニューヨークで#まじファナ のイベントをしないか?というオファーが、友人のデイビッドと雄大くんからあった。

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過去の被害を乗り越える

 セクハラに遭ったことなんて数え切れないほどあって忘れてしまっていることも多いのだが、時々急にそういう記憶が蘇ってくることがある。  そして最近、自分にセクハラをした人と再会した。そしてその話をじっくりして、最終的に握手をして別れた。  しばらく前に、急に思い出した。10年近く前に、自分が好きだった作家さんを、別の友達が、呑んでいた席に連れてきた。男4人、女は私1人。作家さん以外の男は全員仲の良い友人だった。

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自分にぶつけられるネガティビティにどう向き合うか

言論活動をしていると、ちょいちょい知らない人から文句を言われる。 いきなりソーシャルのアカウントに文句コメントがつくこともあるし、私の作品かインタビュー記事かなにかを見た人が、(おそらく私が見る可能性を考えずに)書いているのを見てしまうこともある。 こういうのを見ると、(特に一滴でもアルコールを呑んでいると)、自分の中のクソガキが「てめえ、ふざけんな」と反応して、そういうリプライを衝動的に返しそうになることがある。 いけない、いけない。 こういうとき、英語という言語は便

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「義理」時間からの解放

誰でも平等に与えられるものがひとつあるとすれば、それは時間というものである。人生の終わりがいつやってくるタイミングは人によって違うにしても、とりあえず1日に与えられるのは、みんな平等に24時間。 けれど、時間の経つスピードは、年を取れば取るほど、加速していく。少なくとも体感でいえば。おまけに会いたい人、読みたい本、聴きたい音楽、見たい映画はどんどん溜まっていく。だから時間の使い方を真剣に考えざるをえなくなる。 いつも頭の中にあることを改めて考えたきっかけは、ポロンと入った

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フラワーデモに行ってきた

フラワーデモに行ってきた。 4月11日から毎月11日に行われてきたフラワーデモに、数ヶ月前に参加した友人(男性)がその存在を教えてくれて、11日に日本にいるチャンスがあったら必ず行こうと思っていたのだった。 性暴力の加害者が、次々と無罪になったり、軽い刑罰を受けるにとどまる事件についての報を見るにつけ、やり場のない怒りと哀しみと無力感を感じてきた。 特に12歳の頃から父親に週3回の頻度で父親にレイプされてきた被害者の証言が、静岡地裁で「家が狭い」という理由で信憑性がない

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抑えられない感情との付き合い方

若い頃、自分は大変な癇癪持ちだった。そして、少しずつ、怒りとの付き合い方を覚えてきた気がする。どうやって自分の感情と付き合えるようになった なんでこんなことを考えたかというと、最近、とても衝撃的なことが起きたからだ。 半年ほど、ライターとして参加してきた本のプロジェクトで、担当者が、ある日突然「やめる、他に持っていってくれ」と言い出したのである。 1冊の本のプロジェクトで、3人の女性からなるチームで作ってきた。 前半の作業はほぼ終わり、もう終盤のまとめ作業に入ったところ

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不遇の時間という貯金

ちょっと前に北海道でくらし方冒険家の伊藤菜衣子ちゃんとトークをしたときに、お客さんからこんな質問をいただいた。 「お二人は自分の好きなことを仕事にしているように見えるけれど、不遇の時代はあったのでしょうか?」 自分の「不遇」が世間一般の水準で考えて、特に不幸だったとは思わないけれど、不遇と呼べる時代があったかというと、答えはイエスである。もちろん菜衣子ちゃんの答えもイエスであった(それもけっこうに壮絶なやつ)。 でも今ははっきり言える。不遇の時間は、貯金なのである。若い

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インスピレーションを与えてくれる人間関係

朝から晩まで車に乗っている旅で、窓の外の風景を眺めながら、いろんなことを考える。これまでのこと、今のこと、そしてこれから自分がやりたいこと。 旅の日記はこちらでもアップしています。 考えたことのひとつに、先日、友人との間で起きた会話があった。 彼は、最近、活動の場を海外から東京に移した作家である。東京に暮らしたことはこれまでなかった。インスパイアしてくれる人に出会うのが難しくなった、と嘆いている。 新しい場所で活動をし始める、ということは、また新たな人間関係を構築して

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やっちゃったときは口に出す

広島・尾道へプチツアーをしたあと、2日間の休みを計画していた。週末イベントをやったあと、そのまま東京に戻って仕事ウィークに突入すると、2週間休みなしとかになってしまうから、最近は気をつけて休みを差し挟むようにしているのです。 まずは、私が下積み時代にめっちゃお世話になったねえさんを米子に訪ね、魚市場でランチをし、食材とお酒を買い込んで、一晩ダラダラし、翌日は、彼女とともに、大山の麓の林の中に、住居とアトリエとショップ(のようなもの)「ヒュッテ」を建てて暮らしているOlaib

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広島・尾道プチツアー

植本一子ちゃんと、広島・尾道のプチツアーをした。 いちこちゃんと初めて会ったのは、2017年だった。「ピンヒールははかない」を書いているときに、弟分のるいくん(映像をやっている島本塁)が「植本一子さんの本を読んでみたらいいと思う」と勧めてくれて、読んでみたら、その「向き合っている感」に感銘を受けて、本が出たときに、「植本さんに会いたい!」と、朝日出版社の編集者のあやめん(綾女欣伸)に仲介をお願いして対談が実現した。初めて会った植本さんは、想像していたよりもずっと柔らかく、繊細

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新しい友だち

本を持って日本各地をまわるようになって、いろいろな場所に縁ができるようになったものの、イベントで行けていない場所のひとつに北海道があった。 いつだったかな、去年の冬くらいに、うちでアーティストの下條ユリちゃんとのんでたときに、ユリちゃんが「ゆみっこ(と、ユリちゃんは私のことを呼ぶ)、伊藤菜衣子知ってる?」と言った。暮らしかた冒険家を名乗るさいこちゃんのことは、札幌芸術祭での活動から知り、インスタなどでフォローしあってはいたのだが、実際に会ったことはなかった。 ユリちゃんが

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ウェルビーイング実践の道

8月6日に新著「真面目にマリファナの話をしよう」(文藝春秋)が出ることが発表され、取材を受けたりしつつ、同時に、Tokyo Art Book Fairが始まって、ちょっとした(というか自分の中では極度の)緊張状態にある。 30代の「業界の端っこで、しかも自分のペースで好きなことをやっていればいい」というモードから、40代に入って「やばい、やりたいことをやるには時間が足りない」になって、しかも、書きたいことが怒涛のように溢れ出てくるなかで、「これが自分のキャパ」と思っていたレ

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人生というロールプレイング・ゲーム

46歳になった。 今年の誕生日はどこで過ごしたいかを考える間もなく、6月に東京近郊で起きるはずだったロケが7月になって、それに合わせて誕生日の2日前に帰国した。前日は早朝から大雨の中、千葉の森のなかで撮影で、愉快なチームで楽しい撮影だったものの雨にうたれて疲れ果て、帰宅してご飯を食べたら寝てしまい、朝起きたら46歳になっていた。 誕生日は歯医者と打ち合わせに行って、そのまま仕事をしていた。友達のみほちゃんがソニーパークでライブをやるというのでそれを見に行き、そのあといつも

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