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佐久間裕美子のMyLittleNewYorkTimes

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書籍化したMy Little New York Timesから1年前の今日の日記と今年の日記を対にして不定期にお届けします。
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2020年1月の記事一覧

日記:1月12日〜18日 ニューヨーク

*このマガジンでは、7日分の日記をまとめてアップしています。初月は無料です。 1月12日 東京の作家の女友達から連絡があった。個展に来てくれた人が「ねーね(私のあだなのひとつ)に怒られるけど、本はアマゾンで買う」というようなことを言っていたらしい。業界の人間である。苦笑い。  本というものに関わっていると、自分たちがどれだけアマゾンに支配されているかがよくわかる。あちらが圧倒的にパワーを持っていて、作家や出版社がコントロールできる範囲はとても少なく、とにかく一方的なのだ。と

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日記:1月5日〜11日 ニューヨーク、アップステート

1月5日 もう新年、5日目か。久しぶりにキャロラインから連絡があった。彼女がシングルマザーとして子供を持ち、やっぱり生活と子育てを両立するのに苦労して、母親のいるウィスコンシンに移り住んでもう1年以上が経った。送られてきたのは、”No One Tells You This” という本のカバーだ。 ニューヨークでキャリアを追求してきた一方で、結婚を夢見ていたカナダ人女性のグリニス・マクニコルが、40歳になり、母が病気になったり、妹に子供ができたり、恋をしたりするなかで、自分と

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12月29日〜1月4日 ニューヨーク・アップステート

*7日分の日記をまとめてアップしています。初月は無料です。 12月29日 午後、友達のリッチがスマートカーで迎えにきた。前日、連絡をしあっているときに「サウンドバスのセッションをクリスマスプレゼントする」というありがたい申し出をいただいた。ちょっとしたフェイバーをしてあげたことのお礼のつもりのようだった。こういうギフト、最高だ。  リッチは自分へのクリスマスプレゼントとして、この電気カーを買ったのだという。値段を効くと、なかなかの額である。リスポンシブルに生きるのにはお金が

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日記:12月22日〜28日 ミラノ・ニューヨーク

*7日分の日記約1万字を週に1度まとめてアップしています。初月は無料です。 12月22日 やっぱり早朝目が覚めてしまい、Numeroの連載を片付けることにする。年内に書かなければいけない原稿の数が少なくなってきた。今回の連載は、アーティストのMaia Ruth Lee。もう随分前に、ネパールからニューヨークにやってきた彼女は、DIYシーンやダウンタウンのコミュニティの人気者になったけれど、最近はアートのエスタブリッシュメントに認められている。去年は、ホイットニーのビエンナー

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