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楽しむだけじゃない「みどりの日」

みどりの日。
今年も東京新聞にて緑のある暮らしを取材していただきました。
当初提案されていた花やグリーンの取り入れアイデアもいいけれど、コンポストのことも入れてもいいですか?と言ってみたら編集者の方も快く賛同してくださいました。

みどりの日は「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ日」だそうです。
今日は各地や企業でイベントが開催され、ガーデニングシーズンがスタートする季節でホームセンターや種苗店もにぎやかですが、植物を取り入れて「楽しむ」ことだけでなく、是非自然への感謝と循環を考えるきっかけにもなれたらと思っています。

SDGsなど世界で今環境に関する取り組みが注目されている中で、マイクロプラスチック問題があります。切花ですと、気になるのが「フローラルフォーム」別名、吸水性スポンジ、メーカーによって名前もさまざまで緑のスポンジ状で水を含ませ切り花をさしてつかうものです。これは咲き終わった切り花とともに一週間ほどで廃棄、廃棄する前に水を絞らなければならず排水に大量のプラスチックの緑の微粉末が流れていきます。
私も花屋勤めだったのでその利便性や作業上の効率性は分かりますが、家庭での花飾りでしたらフローラルフォームは必要なく、花瓶で十分楽しめますよね。
フローラルフォームのメーカーのHPでは、使った後のフォームを土に混ぜ込んで利用できます、という驚きの内容までありましたので、問い合わせさせてもらいましたが(クレームではありません)、一社は私の問い合わせを真摯に受け止めてくださりHPから削除してくださり、もう一社は環境に問題はないということに加え、小学校の花壇やブルーベリー栽培農家が保水のために現在も使ってもらっているということでした!え~!?驚き隠せず、事情を知りたくて何度もやり取りさせてもらいました。
フローラルフォームを使った花飾りは花業界の中でも根強い文化なのですぐには難しいとは思いますが、この先厳しく規制されていくのではと思っています。
そのためにもこの「小さな声」は必要です。笑

もう一つ、ガーデニングで気になるのが「人工芝」。
お庭、ベランダに植栽を植えずに簡単にグリーンスペースが作れる便利なものですが、これも大量のマイクロプラスチックを生んで世界中で問題になっています。
海に漂う緑の小さなプラスチック、マイクロプラスチックの中でもかなりの率を占めているといいます。ビニールやペットボトルは拾うことができても人工芝の破片のようなマイクロプラスチックは回収することができません。知らず知らずに靴の裏に付いた緑の破片はいろんな場所に運ばれていくのです。
そもそも本物の芝生や植物に触れている人なら、どんなにリアルな人工芝であれ正直どこまでも人工的なものにしか感じられないでしょう。
ウミガメの体に巻き付いたプラスチック、マイクロプラスチックが体内に溜まって死んでしまった魚。そのニュースをみて心を痛めたり、エコバックを積極的に利用していても、意外なことに自ら環境を壊している。今一度確認することが必要です。
ここで言いたいのは、悪気はなく、ただ気づかずに使ってしまっていたということ。
みどりを愛し、花を愛で、季節を楽しんでいるつもりでも、実はその逆を行っている。おかしなことですよね。自然が好きでキャンプに行って、プラスチックを捨てて川を汚して帰ってくるようなものです。

今や飲食以外にもファッション業界でも環境問題への取り組みは積極的ですが、本来、自然や植物と直接つながっている花業界や園芸業界がもっと先頭に立つべきなのになのになあ。
植物を愛するなら、自然の継続を願うであろうし、それが植物のある暮らしを楽しむということの本質だと思います。

写真は毎朝使う我が家のコンポスト。生ごみを減らしたくて始めたのですが、今では気持ちよくて仕方がない。ゴミ箱に生ごみが入らないってこんなに気持ちいいんだ!と癖になる人多いらしく、それよくわかります。家族も「これコンポストに入れる?」でなくて「これ土に還す?」といって土に興味を示してくれています。
私も偉そうなこと言って、できていないことや課題が山積みですが、できることから少しずつトライしているところです。

でもそれぞれ沢山の小さな思いに対して世界が少しずつ動き出し変化しようとしているのは事実ですよね。

植物が大好きで長年花や緑を楽しむことを趣味とし、それが仕事となっているのは本当にありがたく、幸せなことです。これからは楽しむだけでなくもっと自然に恩返しをしたい。循環を考えていきたい。。。


今日は快晴の青空。自然を愛する「みどりの日」です。

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