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[TeaTime #12]イギリスの生活ってどう?『利用者にガツンと言った経験:職場編』

今回も前回前々回に続いて、大学図書館の職場での出来事を紹介したい。

大学図書館の窓口に座っていると、様々な利用者がやってくる。

1.英語が第一言語の利用者(アクセントがイギリス南部、イギリス中部、イギリス北部、スコットランド、北アイルランド、北米英語、シンガポール英語、インド英語、オセアニア英語、アイルランド英語、南アフリカ英語、ナイジェリア英語等)

2.英語が外国語の利用者(莫大な数のアクセントの種類)

3.高齢者、中高年者、30代、20代、10代後半の利用者

4.イギリス人の中での中流階級と労働者階級

利用者の英語を聞いて理解するのに最低これだけのバラエティーがあるので、それはそれは大変だった。そういうわけで、窓口に座っている時は、理解しようと過度に脳を使い、業務後は疲労困憊だった。

私は自分に対してのプロとしてのあるべき姿を、

雇用されここで働いているには、その責任として、これらの全ての英語を理解できないとプロとはいえない!

なんて馬鹿みたいな完璧主義、所謂「ストイック」なモットーを掲げていた。

こんな完璧主義で働いていたら、自身の精神を壊すのは時間の問題。リスニングなんて、気合や努力で短期間に伸びるわけではない。AIではあるまいし、英語が世界共通語の中、何万と微妙に異なったアクセントや音を全て理解できるようにするなんて「無謀な目標設定」(今となってはそう思う)

私は自己嫌悪の中、自分に厳しく、英語話者の同僚たちに負けないように奮闘しながらも頑張ったが、

案の定、ある日私は切れた。

ある日、窓口にイギリス人大学生が近づいてきた。その学生は背が高く、体格もよく、金髪で、まぁ感じの良いイギリス男子だった。

私「What can I help you?」

彼「タタタタタタタマグマグ........」

私「I am sorry, but I could not get it. Could you repeat that please?」

彼「タタタタタタタマグマグ........」と又同じ言い方をした。

私は日本の高校で英語を教えた経験と英語学習者としての経験から

英語は貴方たちイギリス人だけの言語だけではない!今や英語は世界言語。英語が母語ではない人たちにでも分かるような英語を話しなさい!外国人がどれだけ時間をかけて苦労して英語学習をしているか知らないでしょう!貴方にとって英語は第一言語でしょうが!!!

と心の中で叫び、何かがプチッと切れる音が聞こえた。

そのイギリス人男子からすると、きっと「そんなの、知らんがな」だろう。

ストレスが溜まり溜まり、私自身が壊れたのだ。

私「I don't understand what you were saying, so Could you speak more clearly and slowly, please?」

一応、pleaseをつけて礼儀を示し、その彼に言ってやった!

(でも言い方のトーンで「あんたの英語わからんがな!英語を使っているのは貴方たちの様なネイティブだけではない!もっとわかるようにはっきり言いなさ~い!」の感情を含めた)

私の今までのムシャクシャした屈辱の感情の矛先にノミネートされてしまった可愛そうな彼。

それを聴いた彼は、目を丸くし、一瞬かなり驚いた顔をして、

彼「I am sorry.....」と言い、先ほどとは違った言い方をしてくれて、ようやく彼が言っていることがわかった。

10代、20代のイギリス人の若者の英語は、一般的にかなり速くて、モゴモゴと滑舌悪くとても聞き取りにくいのだ。彼らに聞き手が誰であるかと言うことを配慮する「気配り」を期待するのも難しい。

日本で日本に住んでいる英語話者と話しをして、「英語がわかる」と思って、イギリスに留学すると、とたんに何を言っているかわからなくなる」経験をした人は以上のような理由。

日本に住んでいる英人などは、日本人の英語や日本語の音を知っているから、「気配り心配り」で、日本人に分かりやすいクリアな英語を話してくれている可能性があるということ。

だからといって、留学中「英語が聞き取れなくなった」「何を言っているかわからない」時、「私が悪い」と自分を責める必要は絶対ない話したり、聴いたりすることに恐怖心を抱き、チャレンジをやめる必要もない。「だから何だ!」の強い心で望んで欲しい。

英語は母語ではないのに、ここまでは分かるって、私頑張ったね」と自分を褒めること。

イギリス人だって日本語を勉強する時全く同じ状況(簡単に話せない、聞こえない)

聞こえない英語もあるよね。いつか聞こえるようになれればいいか」と自分に優しく勉強を続けること。自分自身に過度に真面目であったり、ストイックであったりしないこと。「心の余裕、100%完璧を求めないで80%でも許す心」は必要だと思う。

自分に優しく。



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