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場を開くまで

こまちカフェは、8月末まで場を完全に開くことを待つことにしました。


長い時間をかけてゆっくりと開くことにしたのですが、そこまでの道のりを少しずつ記していきたいと思います。

場は閉じない

まず、私たちの場は、こんな感じで2020年2月26日から開いていました。閉じていたのではなく、ずっとドアは開けたままにして何かしら接点が保てるように、毎日営業はしていました。テイクアウトや雑貨販売を通して、場に来てくださる方と少しずつだけですがこの期間お話ができました。「行かなくても開いているというだけでも安心」という声もいただき、そんな声に支えられるように開いていました。誰でもいつでも駆け込めるようにという気持もありましたが、何より私たちが来てくださる方とのちょっとした会話に支えてもらっていたように思います。

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勤務

学校も休校になり、幼稚園保育園も自粛登園や休園になり、スタッフの勤務が難しくなりました。6月末まで、在宅中心にして勤務人数を絞っての体制を組み実施しました。毎朝30分のズームで2人のスタッフが毎日ホストをつとめてくれて、仕事以外のいいろんな話をする時間をもうけました。とても面白く、いろんな部門の人が今何を感じながら生活しているのかとてもよく分かりました。でもどれだけ文字で報告と共有を送り合っても、朝ミーティングを毎朝しても、それでも在宅オンリーの人と勤務を組み合わせている人とのコミュニケーションの量を埋めていくのは簡単ではないとも感じた数か月でした。

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開くまでの4つのステージ

2月から8月までとなると気が遠くなる半年です。納得のいく開き方ができるまでは理屈や感情とは別に「時間」がただ必要な気がしましたし、腹をくくってリアルの場とオンラインの両方を両輪で実施できるようにしていくためにもこの期間は必要です。7月に入り、ちょっとずつお弁当のイートインやスイーツとドリンクは店内ではじめられるようにしましたが、その半年がとてつもなく長く感じる時ともうあと少しだなと感じる時と、両方あります。

これまでの時期を勝手に振り返って名前をつけるとするとこんな感じの時期があったなーと思います。

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たったの4か月なのに4ステージか、とつっこみたくなりますが、こういうザ・混乱期、新たなステージに向かう時は、考えるより動くです。やってみてこそ、続けたい事かどうかも分かりますし、続けられるかどうかもやってみなきゃわからない。中でも、創発期なんでもいいからとにかく「あれやろう」「これやってみよう」という動く、創造期は「事業として積み上げる」とではちょっとニュアンスは違いますが、いづれにしても、これまでやったことないことに向かっていった数か月でした。

そして、そのやることはスタッフ自ら自分からわきあがってくる「これ必要」「これやりたい」っていうものをベースにやっていくのが最もよいです。そのためにも平常時から「法人としては何を大事にしていきたいか」とかいうことを多少なりともすり合わせていないと、単なるひっちゃかめっちゃかなイベントや企画がいっぱいできてしまいます。また、いろんな痛みや喜びへの想像力がないと、独りよがりのものになります。でも、この時期、そんなアイディアは一つたりともでてこなかったし、そんな不安はなかったです。

ただ、大変なのは、「定着期」です。「続ける中でいろんな壁にぶち当たっていく」定着期は、安定っぽいその名前とは裏腹に『ストーミング(Storming)』の時期です。本当に続けたいか続けられそうか、そのために必要ないろーんなこと(人も資金も場も時間も支える体制も)はしっかりと用意できるか、、、検討をすることもストレッチしないと難しいこともあり、変化が多い中で疲れがたまってくる時期です。最も気を付けないといけないです。

そんな時期が今です。

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そんな時を過ごしながら、これからの私たちの「居場所」どんな風にしていきたいのかを考えています。「誰かと笑いながら食べること」「何気なくそこにいられて、ほっとすること」「関わるも関わらないも話すも話さないも、自分が選べてその意思が大事にされること」「ちょっとした参加するきっかけがあること」そんなことはとても大事できっと何も変わらないと思います。でも、移動や時間の不自由があるとき、気力がないとき自身や家族が病気のとき、「コミュニティ」的なことにいろんな背景からちょっと距離を感じるとき場に足を運びたくても運べない状況が常にあることも感じてきました。そういった方々の存在もたくさん知って、かつ社会の中でもその母数も大きくなってきていることを感じる中で、少し何かずれがうまれてやしないかと、感じてきました。

今は場に加えてテイクアウトをしてみたり、オンラインの事業を立ち上げながらそのずれがあったのか、あるとすれば何か、今やっていることはそのずれを埋めるものなのか手探りしています。テイクアウトを通して、歩いて数百メートルのご近所さんとのつながりが不思議とできてきましたし、オンラインは移動の制約から解放されてこれまでなかなか場に足を運びにくかった生後1-2か月の赤ちゃんのお母さんたちや、出産前のプレパパさんの自宅からの参加が増えてコミュニケーションがとれるようになりました。また、オンラインの講座を通して日本中の居場所をつくっている人つくろうとしている人と意見交換ができるようになりました。スタッフが本当にたくさん試行錯誤を日々重ねて、ちょっとずつお互いに情報共有をしながら、可能性がたくさん見えてきました。同時に、リアルな場にしかできないこともよくわかってきました。

場もオンラインもテイクアウトもと実現するにはそれなりの体制が必要です。可能性と現実続けてできることとと、いったりきたりしながらもう少し模索していきます。