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祭りとまち

2024年7月13日土曜日はとつか夏まつり。

このお祭りは300年以上受け継がれてきた戸塚八坂神社お札まきとともに開催されてきた露天商を中心とした祭りを安全安心に開催するために2016年から「とつか夏まつり実行委員会」を設置して毎年4万人ほど集まります。実行委員会は半年間かけて準備し、200人ほどのボランティアが関わります。また、この地元のお祭りに東俣野特別支援学校の児童生徒卒業生ご家族が参加できるように駐車場や施設を設置し医療的ケア児の休憩や休息環境をつくり暑さや混雑があってもご家族兄弟児含め安心して参加できるようにとしているのも特徴です。


朝は7時過ぎから、夜は11時過ぎまで。翌朝も6時台に集まりたくさんの方が集まってこの毎年続けられるように関わってくれています。幹部会に関わり数年ですが、本当に学びが多いです。


1.リーダーシップ


いろんな店主や様々な部署のリーダー、役職に関係なくリーダーシップのある方々や経営者の方が実行委員会やボランティアで関わっているのですが
お掃除の時間やお祭りの休憩時間やふとした立ち話、大変な局面での動き方や立ち振る舞い、ものごとの伝え方や毅然とした態度、本当に勉強になります。

どの局面で自分の力は最も発揮できるのかをよく知っていて動いていて、誰が何を言うからではなく動いています。

連携の重要性を知っている方々でもありそこが大事なときに発揮できるよう1年間かけて関係性を濃く広くできるようにあちこちに飛び回っている方々が何人もいます。その方々の1年の積み重ねがあってのこの数時間のお祭り。だからこそ、その次の1年が更にまちが豊かになる。毎年そこに感動しますし、お一人お一人を心から尊敬します。

2.「また会おうね」

毎年河川敷にもたくさんの若者がお祭りが終わっても集まりつづけるのですが、そこでトラブルがあると翌年開催ができません。なのでそこをまわり今日は解散してほしいということを説得に回る必要がありますがとある方から
河川敷到着時にどのようにしてそれを伝えるかを教えてもらいました。きっと恥ずかしがるだろうから詳しくは書きません。笑 が、その内容が本当によくてこれまた心が動きました。

実際に到着してまわりはじめると勢いのある若者たち、お酒が入り、グループになっていることもあり気持ちも大きくなっている相手に一瞬足がすくみます。でもシンプルにちゃんと理由を伝え、来年もその次の年もお祭りを開催続けたい気持ちをまっすぐに伝えるとしっかりと耳を貸してくれました。

「帰る場所がないんだよ」という子たちや「ここは毎日自分たちが涼む場所、今日だけじゃないんだよ」という方、それぞれの言いたいことがあったり、試すようなことを言ってくる子たちもいましたが最後に「また会ったら声かけてね、絶対ね!」と最後ひとりの女の子に声をかけられてなんだかとてもあたたかい気持ちになりました。(そして実際に数十分後また街中の掃除でまわっているとき偶然で会ったのですが「あ!!!さっきの人!またね!またね!!」と。)

3.応援合戦


こまちカフェも数週間前からスタッフたちが数人でチームをつくり準備をしてくれていました。普段キッチンにたちながらただ毎日の場をつくるだけでも大変なメンバーがこの日の準備のためにたくさんの子どもたちが楽しめるようにヨーヨーをふくらませたり、おもちゃを買ったり米粉でつくれるお菓子やおつまみ、フルーツポンチの準備などをしていました。何度も回りながら様子を見に行ったのですがいろんな部門のスタッフやこまちパートナーの方々、こどもたちご家族まで一緒に手伝ってくれていました。


お祭りでの販売というのは波があって、売れる時売れない時間帯、淀んだり疲れがたまってくる時間等があります。

そんなときにも変わらず声をあげてお客様に声をかけていたスタッフがいて(最後は声がつぶれてしまっていましたが)本当にその姿を見て、一緒にがんばろう!と奮い立たされました。お店の応援に一瞬入ると、なんとお向かいのもんじゃ横丁の方がたくさん買いにきてくれて、「こまちカフェの〇〇美味しいよー」「お向かいで〇〇売ってるよー」と皆さんで一緒に宣伝を
してくれました。私たちもいただいたフランクフルトを手に「もんじゃさんの〇〇美味しいよー」と応援合戦。それをあたたかく見守ってくださっている、日ごろ買いに来てくださっているご近所さんの目線も感じました。
こんなあたたかいご近所さんたちに恵まれて幸せだなと、思いました。


4.ほのぼの


こまちでは100会員以上加盟している戸塚宿ほのぼの商和会の
事務局もさせていただいているので、その地元商店の皆さんの
出店とりまとめに動いているチームもいました。
今年はサテライト会場もつくり、火や混雑等で事故が起きないような
準備やアナウンス等も手際よく動いてくれていました。
大きなトラブルなく追われたのは本当に一人一人の店主の皆さんの
準備と注意とそこに向けての下準備をしてくれていた皆さんのおかげです。

当日走り回っていた事務局メンバー

5.特別支援学校とお祭り


当日私は特別支援学校の招待に向けてのチームで夕方まではその責任者として動いていました。地元企業の方の多大なご協力をいただき駐車場をお借りし、ストレッチャーや車いすで来場できるようにしたり地元の病院を経営する方々がその日施設を開放してくださり休憩場所をつくってくれています。
多目的トイレではなく、完全に横に慣れるお手洗いの環境も必要ですが
その環境をその施設の部屋を貸していただくことで実現できます。

暑さで体力を消耗するので涼しい環境や手足を伸ばしたりできるような環境も必要ですが、広い空間があることで、それがゆっくりとできご家族もゆっくり過ごせます。

ただ、いかにそれが街中で非日常のお祭りの日だけでなく日常でも実現できるようになるのか、ということをこの日に向けて数回の打ち合わせを学校でし、今年はボランティア体制を見直しました。

また、今年は高等部児童生徒が学校でつくったり目線入力でつくった商品の販売も社協さんの前で実施。たくさんの方が買いに来てくれて早々に完売。

ありがとうと言うことに慣れているけれども、ありがとうと言ってもらえる機会を増やしたい。その「双方向であること」の実現のためにどんなステップが踏めるのか、この日に向けての議論がとても重要だったと思います。

6.子どもたちとお祭り


翌朝のお掃除には、6時半という早い時間にも関わらずたくさんの方が集まっていました。

こびりついたチョコバナナをはがせるようにたくさんのモップを準備いただき、水をまきながらお掃除ができるように水タンクとトラックを用意してくださっていた方もいました。(本当にありがたいです)

野球部の子たちも集まり一緒にその子たちとモップをかけたのですが
この後練習です、と言いながら、嘔吐の後をぎゃーぎゃーいいながらモップでごしごししないととれない汚れを勢いよく全力で落としてくれていました。

たくさんの子どもたちも関わっているお祭りなのです。
我が家のこどもたちも昼のゴミ拾いや店舗手伝い、夜のお掃除に
関わったのですが、「ゴミがあちこちのゴミ箱で溢れていて途中から
5袋持って歩いていたら手がちぎれそうだったけどそうするとあちこちから赤いTシャツ着た人たちが現われて一つ一つもっていってくれた」と息子。
「目をみて挨拶すると二言三言会話が生まれるんだよ」と販売しようとするのではなくコミュニケーションだということを知った娘。

祭りは子どもたちの世代に、更にその次にどう引き継ぐかが大事です。それを今年は特に感じたお祭りでした。本当に関わらせていただき感謝です。