重層研修から考える「デザイン」
昨日は厚労省の重層的支援体制整備事業の研修で200人以上の方向けに3.5時間の研修でした。コミュニティデザインラボ松崎さんと労働者協同組合やさしいまちづくり総合研究所前神さんとご一緒でした。
私たちはリアルに都内に集まり、全国の皆さんはオンライン(3.5時間とっても大変だったと思います)。冒頭1時間話した後はずっと参加者と対話、深堀。ハウツーとノウハウがあって学べるものと違って、自分たちなりの「地域共生」をこれまでの課題解決型ではなく価値創造型で考えるということ、そのためには松崎さんの言葉を借りると「自分たちのまちを、自分たちで楽しく」していくことが大事ですが、それを研修にしていくことはなかなか簡単ではありませんね。まずは職員の方々が「自分」を取り戻して「私」を主語に地域に入り、語り始めることが大切だということを今日も感じました。
労働者協同組合やさしいまちづくり総合研究所の誕生の話を前神さんから改めて聞いて「はたらく」という切り口から考えることやイノベーションが生まれることへのヒントもたくさんでした。
また、三股町の社協の中にあるコミュニティデザインラボの所長松崎さんからは『住民Aの困りごとに対して、専門家が集まって解決できることもあれば、制度的なサービスがないため解決できませんという風に言わざるを得ないこともある。でもそこに住民が集まりみんなで集まり一緒に考える』という話がありました。
①地域資源と人をつなぐこと、②課題検討の場、③地域活動を楽しくブランディングする、この3つを重ねながら一つ一つ、住民主体で形にしている三股町の取り組みは本当に興味深いです。8割の家庭が支援につながっていない、障壁がたくさんあって届いて行かない支援を、デザインと協働と市民の力で届けたり一緒に創ったりしている実践が一つの町に幾つもあります。
下の中川さんnoteにもありますが、原則開業するまでの人件費や内装費は補助金でまかないつつ、開業後は自主財源で自走が前提で住民主体で立ち上げるためのコーディネートに徹するラボ。そのデザインが本当にすごく面白い。
基本いろんなところで取り上げられているのでご存知の方もいらっしゃると思いますが、改めて幾つかの資料と記事を紹介します。
三股町の取り組み(過去の研修資料がアップされていたのでご関心がある方は是非)
https://www.mhlw.go.jp/content/001020039.pdf
中川さんという方が三股町を訪れた時のnote(分かりやすかったのでピックアップしました):
私からはいろんな事例とそこから感じてきたことを紹介しました。重層的支援体制整備事業は「相談支援」「参加支援」「地域づくり」の柱がありますが、相談にはいかない人の相談にはならないつぶやき、それを「よくしよう」とするのではなく受け止める場の存在、参加の大分手前にある「喪失や願いの共有」からスタートすることの大切さ、「なんだか参加したくなるプラットフォーム」をつくることなどを話しました。
その入り口を消費だったり参加だったりどれだけそこを既存の枠の中(地域づくりに関心がある人たち)の外側に設置できるか。
よくある『「困ってる人」を真ん中において、いかに周りの人たちで横につながって支援できるか、の図』ではない視点で人を見て共につくれるか。