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幸せな合意形成

結構厳しい査定結果だったけど
現課から復活要求はないのかしら
動きがないところを見るとたぶん
心底納得してくれたのかはわからないから
来年も同じ議論になるのかもしれないけど
#ジブリで学ぶ自治体財政

疲れている財政課職員へ
「幸せな合意形成」への道筋を一緒に考えませんか?

こんなタイトルのチラシが全国の自治体財政課に届いていると思います。
これは昨年6月に発足した「新しい自治体財政を考える研究会」の活動紹介と会員登録のご案内です。
当研究会は、自治体財政や予算編成に関する課題を自治体職員の皆さんと、より深く共有し、職員の皆さん同士で対話し合うことで、新しい自治体財政のあり方やその実現の道筋を見出すことを目的に活動しています。
昨年6月には予算編成に関するアンケートを実施し、315自治体の皆さまからご回答いただきました。
このアンケート結果を基に昨年7月に「第1回新しい自治体財政を考える研究会」を開催し、56自治体80名の自治体職員の皆さまにご参加いただきました。
アンケートの集計・分析結果や第1回の詳しい内容につきましては当研究会の公式noteにてご覧いただけます。

アンケート結果や1回目の研究会を経て、全国の財政担当部門の職員の方が抱える課題や悩みには共通することも多いことが分かりました。
そこで研究会では、これらの課題を解決すべく「新しい予算編成フロー」の設計検討をはじめました。
研究会の分科会として財政改革で経験を蓄積した現役の自治体職員有志からなる「行財政愛好会」(愛称:愛好会)を設立し、次回研究会に向け、フローの素案を設計しているところです。
私自身は、この研究会を主催する一般社団法人公民連携活性化協会の顧問としてこの活動をサポートしており、昨年7月に開催された第1回研究会では「枠予算のススメ」と題して登壇させていただきました。

また、前述の行財政愛好会のメンバーの一人として、 綺麗ごとや理想像を並べたものではなく実務に落とし込める、‟使える”フローを設計すべく、他のメンバー及び事務局の皆さんとオンラインで喧々諤々の議論をしているところです。

この研究会が目指す「幸せな合意形成」とはなんでしょうか。
毎年度の予算編成における現場と財政課の攻防についてはこれまでこの場でもいろんなエピソードをご紹介してきました。

自治体の厳しい台所事情のなかで繰り返される「要るものは要る」と「ない袖は振れない」の交わらない平行線の議論。
互いに信頼できずに騙し合いマウントを取り合う不毛な争いは時間と労力を浪費します。
私も長くその世界に身を置き,疲れ果てて市役所をやめようと思ったこともありますし,このストレスフルな不夜城での戦いに身体や心を病んでしまった仲間も全国には数多くおられます。
財政課職員だけでなく,現場の予算担当,事業担当の皆さんにも過大な負荷をかけ負の感情を抱かせる対立の悲劇をなくしたい。
予算編成が未来永劫続くルーティンであるならば,その過程に携わる者が過度に疲弊せず,感情のしこりを残さず,来年もまたその渦中に身を置くことを厭わない仕組みとして構築運用していくことが,その仕組み自体の持続可能性を担保する。
そんな安定的な運用が可能なルーティンを考えたくて「新しい予算編成フロー」を検討しているというわけです。

しかし,私は予算編成に携わる職員の心身の健康を案じ,公務員同士の無益な争いを終わらせたいという理由だけでこの活動を続けているわけではありません。
予算編成をはじめとする自治体の財政運営は,市民から預かった貴重な税財源の使い道に関する大事な意思決定のプロセス。
そこで自治体職員の行う対話や議論はすべて市民の立場,意見の代弁です。
そもそも市民は,それぞれの立場の違い,価値観の相違からくる意見対立はあれど,最適な結論にたどり着きその合意に基づいて自治体を共同運営していかなければなりません。
その合意形成が「幸せ」であるとはどういう意味か。
なぜ「幸せ」でなければならないのでしょうか。
予算編成における合意形成で目指すべきは,政策の決定,資源の配分に関する理解,納得,共感。
合意形成に至る過程と結果によって得られる市民の理解,納得,共感は,その合意に基づいて行われる施策事業の実効性を高め,自治体運営に対する市民の信頼を増進します。
また,合意による対立の解消は,同じ地域に住み、同じ空間で生活を営む市民同士が互いに理解し合い、互いに安心して暮らせる心理的安全性を保持することにもつながります。
だからこそ,この合意形成は市民の理解,納得,共感のある「幸せ」なものでなければならないのです。
そのことが予算編成フローの改善だけで成就しないことは先日お伝えしたばかりではありますが。

なお,当研究会では地方自治体の現役財政課職員や財政課経験者などを対象に会員を募集中です。
会員の皆さんには、事務局から直接、研究会の参加案内を差し上げるほか、研究会や愛好会の活動報告をメルマガで配信いたします。会費は無料です。
<問い合わせ,会員登録のご連絡>
consensus@lg-zaisei.com
自治体の財政運営にまつわる「幸せな合意形成」の道筋について、かつての私と同じ悩みを抱え、その悩みを乗り越えたいと考えている皆さんと一緒に考え、実践できる処方箋を探っていきたいと思います。

★自治体財政に関する講演,出張財政出前講座,『「対話」で変える公務員の仕事』に関する講演,その他講演・対談・執筆等(テーマは応相談),個別相談・各種プロジェクトへの助言・参画等(テーマ,方法は応相談)について随時ご相談に応じています。
https://note.com/yumifumi69/n/ndcb55df1912a
★2018年12月『自治体の“台所”事情“財政が厳しい”ってどういうこと?』という本を書きました。
https://shop.gyosei.jp/products/detail/9885
★2021年6月『「対話」で変える公務員の仕事~自治体職員の「対話力」が未来を拓く』という本を書きました。
https://www.koshokuken.co.jp/publication/practical/20210330-567/
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