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鉄は熱いうちに打て

蒔いた種にパワーを与えたら
芽吹きが早くなるってホントかな
放っておいたら枯れちゃうことはあるから
目を離さないって意味はあるんじゃない
#ジブリで学ぶ自治体財政
 
コロナ禍の中、2020年2月以降長らく休眠していた出張財政出前講座を昨年11月からようやく再開することができました。
これまで講座開催、参加を求めておられた皆様、本当にお待たせいたしました。
現在、この4年間に開催の依頼があった地域、関係者のニーズを優先しながら2024年の開催地、日程の調整を行っております。
仕事や家庭の都合も休眠前とは異なる事情を抱え、なかなか以前のようなペースでは全国を回ることは難しくなりましたが、それでも私と何かしら語り合いたいという方がおられましたらぜひ気軽にお声がけいただけたらと思います。
 
拙著にも書きましたが、全国各地に出前の旅に赴くうちに、この出前講座には二つの側面があると思うようになりました。
一つはもちろん、財政の話、自治体経営の話、さらには対話によって対立を乗り越えるという考え方など、受講者の方々に私が講座で伝えたいことを伝える、という本来の目的の部分ですが、もう一つは「人寄せパンダ」としての意義です。
私に出講を依頼される方の多くは、その地域で何かしらの問題意識を持ち、改革の風を吹かせようと意欲を燃やしている方々です。
そういった方々からよく聞こえてくるのは「出前講座開催をきっかけに仲間が増えた」という声です。
私が出前に行くことをきっかけに、開催の準備や当日の参加者などのメンバーを募り、講座開催という共同体験を通じてそのつながりが広がり、交わりが深くなり、講座が終わった後に次の行動を考え、実践できる仲間づくりになったというのです。
市役所の中での自主研究グループの活動メンバーの増加だけでなく、市民や議員も参加する出前講座での対話経験を通じての官民の垣根を越えた人間関係の構築や、近隣自治体同士での自治体の境界を越えた地域連携が始まっているケースもあり、そのようなネットワークを生む場づくりのコンテンツとして、私の講座を活用いただいているということも大変うれしく、意気に感じているところです。
 
ただ私が残念に思うのは、100回を超える出前講座のすべてがそういった「次の一手」につながったわけではないという事実。
出講を歓待いただき、たくさんの受講者が私の話を聞いてくれて、講座の時間だけでなく懇親会になだれ込み、夜遅くまで財政談義、自治体談義に花を咲かせてきましたが、「いい話が聞けた」「楽しかった」で終わってしまった方や地域も数多くあるのが現状です。
このいわゆる「研修移転」問題は多くの研修主催者、参加者に共通する課題ですが、私なりに心がけていることが三つあります。
一つ目は、開催準備にあたり仲間を作るよう促すこと。
私は、出前講座のオファーがあった際、必ず「一緒に準備してくれる仲間がいますか」と尋ねますが、それは準備に人手が必要だということではありません。
ここで仲間を創り、仲間と一緒に講座開催の意義や誰に参加してほしいかを話し合って共有し、その目的、戦略に従って日程や会場の決定、参加呼びかけの告知、キーパーソンへの声かけなどを行っていくことが、講座開催後に重要な意味を持つからです。
 
二つ目は、私自身が参加者の方々お一人お一人となるべく接点を持つこと。
今までにも、出張財政出前講座のお知らせイベントをFacebookで立ち上げ、そこに「参加」をクリックされた方や講座会場で名刺交換した方に直接DMを送って友達申請したり、講座で使用するパワポのラストに名刺のスライドを入れ「質問、意見のある方は今すぐでなくても結構です。1か月後でも半年後でも、1年後でもいいので私に聞きたいことがあればいつでもご連絡ください」と念を押したりしています。
これは、単に講座を受講する瞬間の一期一会ではなく、私とつながり続ける接点を持ち、SNS等で私が発信する情報に触れ続けることで、私の活動に関心を持ち続けてもらい、そのことで自分自身が受講した時の気づきや思いを風化させないという狙いがあります。
 
そして三つ目が今日のタイトル「鉄は熱いうちに打て」
出前講座終了後、必ず主催者や参加された方からお礼のメールが来ます。
その際、私がいつも送るメールの定型文は以下の通りです。
 
その節は講座ご参加ありがとうございました。
講座当日に使用した財政出前講座資料及びSIMULATIONふくおか2030のデータをお送りします。
いずれもデータだけではわかりにくいかもしれませんので,お気づきの点があれば気軽に質問してください。
このデータをご活用いただき,ぜひ出前講座受講後の次の一手をご検討いただきますようお願いいたします(^_-)-☆
次の一手を打つにあたっては、ぜひ、主催者の皆さんにおかれましては、出前講座主催に関わった事務局メンバー、参加してくれたメンバー、参加したかったけど参加できなかったメンバーなどで、「振り返り」を行っていただくことを推奨いたします。
また、主催ではなく講座に参加された方々におかれましては、一緒に参加したメンバー同士での振り返りや、自分の組織に持ち帰っての報告・共有、あるいは主催者の企画する振り返り会へのご参加をお勧めいたします。
 
鉄は熱いうちに打てと言います。
講座から時間が経つと熱量も下がり、日々の雑事で講座の記憶も薄れてしまいます。
講座からあまり時間が経たないうちに「財政出前講座」と「SIMULATION2030」のそれぞれ、またその組み合わせについて、気づいたことやわかったこと、今後生かしたいことなどを言葉に出して互いに共有することで自分たちにとって必要な次の展開が考えられますし、その一歩を踏み出す仲間の意識を醸成し、確認することができます。
今回の講座が一過性のイベントにならないよう、老婆心ながらご助言させていただきます。
また、今後の展開でなにかわからないことがありましたら、いつでも気軽にお問い合わせください(^_-)-☆
またお会いできるのを楽しみにしています。(引用終わり)
 
出張財政出前講座の開催、受講はゴールではなく、ここがスタート地点です。
私が投げた小石の波紋を広げ、地域で何かを始め、何かを変えていくのは、開催地域の皆さんです。
その「次の一手」がうまく打てるよう、開催の準備には「次の一手」を打つための仲間を巻き込み、「次の一手」が有効に機能するためのキーパーソンが講座に参加できるよう画策してほしいのです。
私が受講者の皆さんとFB友達になっているのも、機が熟し「次の一手」を打てるようになるまで熱意の種火を灯し続ける、という目的があるのです。
講座開催の回数を重ね、一過性のイベントで終わってしまった残念な地域を見るにつけ、講師としての力不足を感じていましたが、今回、2024年の講座再開に際して新たに決意したことがあります。
それは「次の一手」に関わる、ということです。
 
講師としてお招きいただき、4時間もの長いひとときを同じ空間で過ごすなら、私自身もその時間を一過性のものとしたくない。
講座の後に続く「次の一手」を最初からイメージして、主催者の皆さんが行う仲間づくり、キーパーソンへの声かけをアドバイスしたり、開催の狙いに応じて内容をアレンジしたりもできますし、講座開催後に打つ「次の一手」に際して別メニューでの講座の提供や個別のメンタリングなど、お役に立てることはまだまだあります。
これまでは自分の領分ととらえず、そこまでの関わりを積極的には持っていませんでしたが、せっかくの講座が与えるインパクトが無駄にならないように、講座で点った火が消えないように、より大きく燃え広がるように、私自身が「熱い鉄を打つ」役回りを担いたいと思っているところです。
 
もし私の講座を受講したい、開催したいとお考えの方がおられましたら、ぜひ講座後の「次の一手」を見据えての初手からの展開戦略を一緒に考えていけたらいいなと思っていますので、ぜひ気軽にお声がけくださいませ。
なお、自治体財政に関しては、このnoteでも「自治体財政よもやま話」として200を超える投稿を重ねていますし、2021年には『「対話」で変える公務員の仕事~自治体職員の「対話力」が未来を拓く』という本も書きました。
自治体財政のみならず、話せるネタ、お手伝いできるテーマもずいぶん幅広く、中身も濃くなってきましたので、もし皆さんが何かにお困りで、私が何かお役に立てることがあれば、できる範囲でご協力いたしますので、いつでもご相談いただけたらと思います。
 
★2018年12月『自治体の“台所”事情“財政が厳しい”ってどういうこと?』という本を書きました。
https://shop.gyosei.jp/products/detail/9885
 
★2021年6月『「対話」で変える公務員の仕事~自治体職員の「対話力」が未来を拓く』という本を書きました。
https://www.koshokuken.co.jp/publication/practical/20210330-567/
 
★書籍を購読された方同士の意見交換や交流、出前講座の開催スケジュールの共有などの目的で、Facebookグループを作っています。参加希望はメッセージを添えてください(^_-)-☆
https://www.facebook.com/groups/299484670905327/
 
★日々の雑事はこちらに投稿していますので、ご興味のある方はどうぞ。フォロー自由。友達申請はメッセージを添えてください(^_-)-☆
https://www.facebook.com/hiroshi.imamura.50/
 

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