シェア
冨樫由美子
2022年2月1日 07:29
「本」図書館の本に書きこみするひとの孤独の色はふかむらさきの、栞ひも尻尾のやうに垂らしつつわたしを誘ふ本は生きもの積んでおく罪悪感もいふなれば背徳的な愉しみである講談社文芸文庫を携へてスマートフォンは家に忘れてクリニック待合室にすこしづつ読んで二年の『王朝百首』まよなかのいつ目覚めてもいいやうに枕頭におく二冊、三冊卓上に本を重ねて珈琲を淹れる粉雪の舞ふひるさがり※粉