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いつか「来てくれてありがとう」と言える日まで

まだまだ何があるかわからなかったので
人には言っていなかったのだけど、
私、妊娠しています。

今、妊娠3ヶ月目です。

健康に自信のあった私に起きた悲しいこと

喜びも束の間、
9月に入ってから(妊娠2ヶ月目の時)、
赤ちゃんがお腹の中で育っていないことがわかりました。

(人に言いづらい「何か」が起きてしまったのに、
結局話してるし…
公表していなかった意味よ…)

最初の妊婦健診の時から、
無愛想な男性のお医者さんに
「1/4くらい流産の可能性がありますね」と言われ
「おめでとうございます」も言ってもらえなかったので、
なんとなく最初から手放しで大喜び!というわけではなかったのだけど、
勝手に、3/4の方に入るだろうと思っていました。

生理は毎月きっちりとした周期で来てたし、
週2でジムに通って筋トレ有酸素運動してたし、
鉄分、葉酸、ビタミンC、ミネラルのサプリ(私、サプリ屋さんをしています)を今1歳の娘妊娠中から2年間毎日摂っていたし、
(娘のおかげで)寝るのも早いし朝起きるのも早いし、
風邪すらここ2年間ひいてないしで、
なんなら人生のうちで一番健康的な生活をしていました。

なのに、赤ちゃんが育たなかった…。

どのサイトを見ても、
流産は、約15%の妊婦さんが経験するということ、
「初期の流産の原因は赤ちゃんの遺伝性疾患、先天性異常が原因でお母さんのせいじゃない」
と書いてあります。

でも。
私のお腹の中にやってきて、
私のお腹の中で死んでしまったのは事実だから、
自分のせいにしないなんて、無理だった。

1歳になったばかりの娘は歩くのが楽しくて、
いろいろなことに興味が出てきて、
私の手を引いて部屋中を歩きまわり、
興味あるものを手当り次第触ったり
抱っこを求めてくるので、
つわりで気持ち悪くて
立つのもフラフラな私は、
正直、「しんどい」「もう勘弁して」「休ませて」と思ってしまっていました。

それが、お腹の赤ちゃんに伝わっちゃったんじゃないかって。

お母さんをこれ以上苦しませたらだめだって思っちゃったんじゃないかって。

頭では、あくまでも物理的に、遺伝子に
異常があってだめだったとわかっているのだけど、
心の中では不必要に自分を責めていました。

誰も責めないから、自分で責めるしかなかった。

何か、自分が腹落ちできる理由が欲しかった。

診断された日のこと

皮肉にも
「赤ちゃんが育っていないので、流産になります」
という人生で一番悲しい診断をされたのは、
娘1歳記念の家族写真を撮っていただく日の朝で。

病院の帰り道、泣きながら
「なんてスケジュールを組んでしまったんだ…」と、
いろんな可能性を視野に入れられていなかった
脳内お花畑だった自分が情けなくなりました。

うまく笑えるかな…と思いながらも
家族3人で向かって。

カメラマンさんとは初めましてで、
ご挨拶したり、
初めての環境にそわそわする娘をなんとか笑わそうと必死になっていたら、
お腹の子のことは忘れていて、
後で見返したら自分でもびっくりするくらい穏やかに笑えていました。

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そして、人見知りの娘も、
初めましてのカメラマンさんに
ニコニコして近づいていっていて(さすがプロ!)、

「あー娘、こんなに可愛い顔して笑うんだ」
「初めての人に会っても泣かないんだなぁ」と気づいて、
ここ2ヶ月弱、
娘のことを見ているようで
あまり見てあげられていなかった自分に気づいて反省しました。


娘よ、ママ、自分のことばっかりで余裕なくて、ごめんね。


そんなことを思ったり、
撮っていただいた写真を見返していたら、
みんないい顔をして笑っていて。
きっとはたから見たら
「何もなく幸せそうな3人家族」に見えてるんだろうなと思って。

なくしたものに引っ張られ続けるのではなくて、
今ある幸せをちゃんと大事にしなくては、と
改めて気が引き締まりました。

(教訓を忘れないために、
それからプロフィール写真はずっとこれにしています。)

そんな風に自分を納得させて、
落ち着かせて、
あーもう大丈夫かなーと思っても、
夜娘が寝静まって、ふとした時に
涙が勝手に出てきたり。

街で、自転車の前と後ろに子供用のイスをつけて走っているお母さんを見かけると、
いいなぁと思ってしまって、ちょっとだけ落ち込んだり。

まだまだ乗り越えられてはいないみたい。

まぁ、まだお腹の中にいるから、仕方ないか。
未だに、無意識でお腹撫でてるし。

夜中、一通り泣いてちょっとすっきりして、
でもだからと言って何か生産的なことをする気は全然起きなくて、
ベッドの上でだらだらしながら、
Youtubeを見ていて、
気づいたらオーラの泉の過去動画を見漁っていました…
辛いことが起きると宗教に入る人の気持ち、
今ならちょっとわかるかも。

流産を経験して得たもの

流産を知った時は、
なんで私が…とか、
こんな思いしなくていいならしたくなかった…と
何度も思ったけれど、
学んだことも実はたくさんあります。

流産をどうにか受け入れようと、
色々な経験者の方の動画を見て、
記事や本を読みました。

その中で、少し気持ちが楽になった考え方をいくつか記したいと思います。

・赤ちゃんは生まれてからではなくて、着床してから人生の始まり。
生まれ出なかったとしてもお腹の中で人生を全うして使命を果たした。

・赤ちゃんは生きる上で大切なことを親やまわりの人に教えに来てくれた。

・小さくても、確実に家族に影響力を持って作用していた。
(=生きていた。)

・赤ちゃんはお母さんのことも、亡くなる運命も、
自分で選んでお腹に来た。

・流産も魂を宿した肉体が外に出ることだから一つの大切なお産のかたち。

・忘れようとしなくていい。むしろ存在していたことをちゃんと覚えていてあげること。

・「なかったこと」にしてしまうと、心の痛みはなかなか癒されない。

・いつまでも悲しんでいたら、赤ちゃんに失礼。
赤ちゃんはお母さんがいつまでもくよくよすることを望んでいるわけではない。

・妊娠するということは奇跡。流産したということは妊娠できたということ。妊娠できた自分の体を褒めてあげること。

今まで知らなかった、意識したことがなかった考え方に出会えました。


そして、この悲しい経験を経て、
流産を経験された女性の気持ちがわかるようになったことも、
私はよかったと思っています。

流産を経験した人は実は身近に何人かいて、
話は聞いていたのだけど、
自分が経験するのとしないとでは
、感じ方が本当に違う…。

世には誰にも知られず、
こんなに辛く悲しい思いを
一人で抱えている女性がたくさんいるのかと思うと、
力になりたい、
とことん話を聞いて抱きしめてあげたい。

こんな風に思えるようになったのは、
1cmも育たなかった、
小さな小さなお腹の赤ちゃんのおかげ。

本当に、女性として、
人として、
知っておいた方がいい、
大切なことを教えてもらいました。

ありがとうね。

これからのこと

流産になった場合は、対処方法は2通りあって。

一つは自然に赤ちゃんが出てくるのを待つ、自然排出。

もう一つは、全身麻酔をしてする手術。

私は、できるだけ自然な形で赤ちゃんを待とうと思うので、
ギリギリまで待ってみて
あまりにも出てこなかったら手術をしようと思います。

お腹もぺったんこだけど、
産声も聞けないけど、
お産をする予定です。

いつくるかわからないし、
お腹もすごく痛くなるみたいでとっても怖いけど、
赤ちゃんをちゃんと迎えたいので、
覚悟して、待ちます。


いつか、「来てくれてありがとう」と心の底から言える日がくるまで
傷が癒える日まで、
今の悲しみをしっかり感じて、
今私にできることをしっかりやっていこうと思います。

最後に

こんなリアクションに困る内容なのに
最後まで読んでくださって
いつも支えてくださる皆さんに感謝。

今ある幸せと娘の笑顔がとびっきり可愛いことに気づかせてくれたカメラマンさんに感謝。
そしていつもそばで支えてくれる夫、
あふれんばかりの好奇心で私を振り回して悲しいことを忘れさせてくれる娘
に最大の感謝を。

その後

赤ちゃんは自然に出てきてくれて、
ちゃんとお別れできました。




サポートありがとうございます(> <)♡