57.就職活動中に思ったこと

(この記事はこちら↓の続きみたいなもんです)

ご無沙汰しております。
最近は就職活動以外にも考えることが多くて、なかなか書く方まで手が回りませんでした。

就職活動の途中経過報告

現在は、ハロワで見つけた求人を中心に応募しておりますが、以前の記事(こちら)で書いたように「トライアル併用求人や、応募前に実習・見学の出来る求人」が少ないので、なかなか思うように進みません。

とりあえず、トライアル併用求人含め、何社か応募してはみましたが、今のところすべて不採用です。

まぁ、個人情報保護の絡みがあったり、コロナの関係で採用活動自体もなかなか対面で実施しづらい状況であったりもしますので、「応募前に実習・見学の出来る求人」が少ないのはどうしようもないですね。
なので、いまは

「オンラインで会社説明会があるところ」
「選考過程の中で、1日体験みたいなのがあるところ」

を探していたりします。

応募者側からしてみれば、できる限り、
「応募前じゃなくても、選考過程の途中ででもいいから、業務体験ができたり、社内の環境(それも人的な環境)がどの程度整っているのかを知る機会がある」
方が、安心できますので。
また、お互い入社後のミスマッチを防ぐ意味でも、そういう仕組みがある方がいいのではないかと考えています。

トライアル求人もいくつか見てはいますが、やはりトライアル期間がちょっと長いのが気になっています。

意外と見ない「オープンポジション」採用

求人の中には「オープンポジション」というものがあります。
これは、求人の段階では、はっきりと担当業務内容が決まっていないものです。
選考過程の中で、スキルや適性、これまでの経験などを踏まえて、担当業務を決めるという感じのものです。

私は新卒で会社に入った経験がないのであまり詳しくはわからないのですが、オープンポジション採用って、いい意味で、時々ネット上で話題になる、新卒の「配属ガチャ」に近いものがあるように思います。

あれも、企業は、採用時には、誰をどのポジションに配属するかまではあまりかっちりと決めずに採用して、数か月の研修を経て、適性を見て配属を決めているわけですよね。
そのやり方が、結局、「本人のやりたい仕事」と全く違うものをあてがわれる原因になって、「この会社に入ってこの業務をやりたい!!」と明確にやりたいことが決まっている人にとっては、不満の種になるわけですけど。

障害者雇用の場合は、正直この「新卒採用」みたいなやり方をする方が、意外とミスマッチが防げて良いのではないかと思うことがあります。

「何がやりたいか」「どんな仕事をしたいか」以前の問題

これは私だけなのかもしれませんが。
今でも、「自分のやりたいこと」が、ないわけではないのですけど。

「何よりもまず生活費の確保が問題」

になってくるんですよ・・・

そしてもう40代も半ばになると、先が見えてきたというか、世の中も自分もそう簡単に変わらないことも分かってきたわけで。
なので、働く目的が、「働いて自己実現!!」「世の中を変える!!」的な「意識高い」感じじゃなく、まず「生活費確保」になってきているわけです。

第一目的がそれなので、正直「安定して長く働ける」ことがまず大事になってくるわけなのですけど、そのためには

・職場環境が合う事(特に私の場合は人的な環境も重視)
・業務内容が合う事
・必要な配慮が得られる事

が必要になってきます。

しかし、「これまで長く経験してきた業務が本当に自分に合うかどうか」ってのはまた別問題だと思っていますし、「職場環境が合うか」「必要な配慮が得られるか」は、正直入ってみないとわからないことが多いので、書類選考で過去の経歴を見たり、面接で30~40分話した程度では、わからない部分が多いわけです。

だから私は、あくまで障害者本人のほうに「絶対これがやりたい」という明確な希望がない場合においては、新卒入社みたいに「入社後一定の研修を経て、適性を見て配属先を決める」方が、長続きするのではないかと思っています。

トライアル雇用が近い気もするが

上に書いたようなやり方というのは「トライアル雇用」が近い気がします。
トライアルも、一定期間(精神の場合通常6か月)試しに働いてみて、お互いに「合うかどうか」を見極めるものですよね。

が、トライアル雇用だとあくまでも「担当業務がある程度決まっている」求人が多いような気がしています。

なので、「オープンポジション」で「トライアル雇用」みたいなのがあればいいのかなと思うのですが、なかなか、ない。

そもそも「オープンポジション」自体がなかなかない。

例えば、お店とかで「新規開店!スタッフ大量募集!」みたいな求人なら、「面接や入社後の研修で、適性を見てどの業務に割り振るか決める」もやりやすいですよね。お店の中でも、「レジ係」「品出し係」「整理整頓」「清掃」等、いろんな役割がありますから。接客が苦手でも、裏で黙々とやれる仕事がある場合もありますので。

でもたいていの求人は「募集1名」とかで、業務内容も「品出しおよび倉庫整理」みたいな感じでほぼ固定になっていたりします。

そうすると、店側も「その仕事ができる人材」をピンポイントで求めているので、そこに合わない場合は「配置転換」を考えるよりも「別の人材にする」という感じになっていきやすいです。

特例子会社のほうがいい?

その辺、特例子会社だと少し融通が利きやすいのかなとは思います。
親会社やグループ企業や、外部から多数の仕事を受託していて、それぞれチームを組んで仕事をしているという環境なら、一つの業務が合わなくても、別の業務があったりします。なので、会社側に柔軟性があれば「どうしても業務が合わない場合は別のチームに配置転換」して、長続きできる可能性もあります。

ただし、あくまでも「会社側に柔軟性のある場合」の話ですけど。

雇用のミスマッチをできるだけなくすには

これは障害者雇用に限った話ではないと思うのですが、ミスマッチを防ぐにはやはり、「体験」「対話」が大事なのかなと思います。

ある程度体験することができたら、「思っていた仕事と違った」みたいなのは減ります。また、その体験期間中に、「対話」を重ねて、お互いのことをよく理解し見極める時間というのが必要だと思います。

ただ、現在、そういうのがなかなか、ないです。

まぁ「採用された後の試用期間」が、「お互い見極める期間」ではあるわけですけど、試用期間中に合わないと思っても、企業側も辞めさせづらいし、労働者側も自分から辞めづらいです。

企業側から辞めさせづらい理由としては、
「試用期間中で、雇い入れから2週間以内であれば、解雇予告不要で即解雇できるが、それ以降は解雇予告義務が発生する」
「会社都合解雇をすると、助成金の申請に影響する」
等があると思います。

試用期間を有期契約にして、その間に適性がないと判断すれば、契約満了をもって雇止めすることもできますが、解雇に近いので、よほど客観的にみて合理性がなければ問題になると思います。

労働者側から辞めづらい理由としては、試用期間中に退職すると自己都合扱いになってしまったり、試用期間が有期契約の場合、その契約期間が満了した時点で退職すれば、自己都合というより「契約満了」という形にはなりますが、新たな雇用保険の資格が発生しないので、その前にもらっていた失業保険がまだ受給できればいいですが、受給できないと、とても困ります。
なのでちょっと我慢してでも新たな雇用保険の資格がもらえるまでは働く、みたいなことになります。

でもこれってお互いにとって良くないのでは、と思うんですよね。

制度改革したらどうか

いち障害者がこんなところで発進したところでどうにもならないとは思いますが、お互い試用期間中に辞めやすいように、下記のように制度改革したらいいのでは、と思うんですよね。

試用期間を最長6か月に制限し、3か月×2の有期契約に
今は、試用期間は最長1年という事になっていますが、最長で6か月に短縮し、その間は3か月×2の有期契約にしたらいいと思います。
どのみち、いまは3~6か月の試用期間を設けている会社が多いのと、「試用期間中は契約社員、試用期間終了後から無期契約」とするところが多いので、法律自体を変えても支障はないのではないかと思うんですよね。

そのうえで、初回3か月契約満了の1か月前には労使双方で話し合い、「試用期間3か月延長」「試用期間を短縮して無期雇用に切り替え」「2回目の契約をしない」を選べるようにし、初回3か月契約満了で退職したら、理由はどうあれ会社は解雇扱いにならない(助成金の申請に影響しない)ようにしたらよいのではと思います。

さらに2回目の契約満了の1か月前に再度労使で話し合い、「無期雇用への切り替えの有無」について決定し、無期雇用へ切り替え内で契約満了時点で退職するのであればそれもまた会社は解雇扱いにならない(助成金の申請に影響しない)ようにしたらよいのではと思います。

これで会社側としては、労働者の能力の見極めはしやすいと思います。

雇用保険の受給期間を延長できるようにする
で、労働者側の保護はどうするかというと、いま、雇用保険の受給期間は原則、離職した日の翌日から1年間(所定給付日数330日の方は1年と30日、360日の方は1年と60日)となっていますが、途中で就職が決まったら、「試用期間の長さ分だけ、受給期間を延長できる」としたらいいのかなと思います。

わかりやすいように私の例で説明しますが、私のいまの失業保険の受給期間は来年4月末までです。
例えば今年11月1日からある企業に採用されて、試用期間6か月で働き始めるとしますね。
今年の11月1日から6か月間の試用期間だと、試用期間の満了日は来年の4月末です。
今の失業保険の仕組みだと、失業保険の受給期間は来年4月末までしかないので、受給できる日数が余っていても、来年4月末を過ぎたらもう受給できないわけです。

なので、受給期間を試用期間の長さ分だけ延長してもらえたら、受給できる日数が余っていればその分はまたもらえるので、試用期間中や試用期間満了時点で辞めやすいと思います。

で、試用期間を終えて正式に採用が決まったあと、その時点で失業保険の受給できる日数が余っていたら、再就職手当の申請ができる仕組みにするとか。

どうでしょうか。

なんか長々と書いてしまいましたが、とにかく今の仕組みというのは企業にとっても解雇がしづらく、労働者にとっても辞めにくい(辞めた後の生活の不安がある)ので、そこをもっと柔軟にして、試用期間の本来の目的である「お互いに見極める期間」という風にできるようにしたらよいのではと思います。







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