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光を観る旅パート2

福江空港に着いたのは定刻の2時間遅れだったので、バスはもう夕方まで無いし、タクシーも待っていませんでした。
電話でタクシーを呼んで、今日は待つ日なんだなぁと思いつつ、ねっとりとした島の空気を味わっていました。
体調が崩れる時の、五感が鋭敏になる感覚だから味わえたのかもしれません。

やっとホテルに着いたのですが、チェックインにはまだ小一時間あり、お昼でも食べようかと近くを散策しても、もうランチタイムは終わっています。

そもそも旅の前日からいろいろあったもんなぁ、タイミング合わないよなぁ。でも福江には着陸できたし、あと少しでホテルにも入れると、自分を奮い立たせて、あーでもしんどい。具合悪い。どこもかしこも冷房が寒い。
で、マツモトキヨシで経口補水液を買って飲んでみたら、何と美味しいのです。経口補水液は、具合が悪いと美味しいらしいので、つまり私は本当に具合が悪いのだと実感し、チェックインすると同時に、ベッドカバーも剥がずにベッドに倒れ込みました。

途中むくりと起き上がり、浴衣に着替え、今度はちゃんと布団に入って、化粧も落とさず朝までこんこんと眠り続けました。

娘は一人で地元の居酒屋に行き、焼き鳥10本と鳥のタタキと鯛のお造りとキンキンに冷えた生ビールを平らげて来て、貸切の展望浴場を堪能して来たそうです。

さて、朝起きたら文字通り憑き物が落ちたように元気もりもりになっていたので、朝ごはんをガッツリ食べ、展望風呂で朝日に輝く雲と海を眺めて、心身を清めて、本日の予定をどうしようか相談しました。

ええそうです。とりあえず福江に来て、後は何とかなるでしょうというノープランなプランです。
キリシタン巡りのツアーは9時から営業ということで、9時に電話しても繋がらなかったので、ホテルのフロントに聞いてみたら、フェリーターミナルに観光案内所があるのでそこで聞いてみてくださいと言われたので、のこのこ出かけていきました。

観光案内には、素敵な女性と若者が座っていて、離島の教会を見にいきたいのですが、ツアーはありますかと訊ねたら、ちょうど二席空いています。あなた方のために空いていましたと、若者がうまいこと言うので、まさに渡りに船ってことで、乗っかることにしました。

県立高校の正門(お城の裏門)


フェリーの出港時刻まで間があったので、近くの観るべきところを教えていただき、歴史博物館と山本二三美術館をじっくりと鑑賞しました。

山本二三は、火垂るの墓やもののけ姫や天空の城ラピュタの背景を描いた美術監督で、五島の雲が原風景にあるそうです。
作品の舞台となる背景に、ここまでの想いがあるからこそ、人物が浮かび上がってくるのだと観じてきました。

ジブリの背景は何度も見ていたのに、ちゃんと観てはいなかったのかもしれない。日本の、どこかにあるような、誰もが懐かしさを感じるリアリティを持った、空や山や里や町の風景。

歴史資料博物館で上映されている短編映画も、とても心に残るものでした。
五島の四季と、風物と、自然とが淡々と描かれて、自然に逆らわず、自然から學ぶ、人間の本来あるべき姿を描いた五島市の力作です。
行かれた方は、この二館は是非ともお見逃しなく。

さて、本当はこれが目的だった離島の教会巡りです。
離島じゃないですね。五島列島、五つでひとつなので、ちゃんと名前で呼びましょう。奈留島と久賀島です。
これがメインテーマだったのに、当日に行ってどうにかなると思っていた私はどうかしてるでしょうか。

旅のプランを立てるのは、大の苦手です。行き当たりばったりで、その時のタイミングで、観られるならヨシ、観られなくてもヨシ。これは本気でそう思っています。

実際に観てから、あれはそういうことだったのかと、後で知ることの方が、先入観なしで自分の観じるままに、光を観ることになると思っています。

とはいえ、今回の五島列島に行きたいというのは、数年前にNHKで放映された隠れキリシタンの教会の番組を観て、いつか行きたいと思っていたことが前提にあります。

もし神社、仏閣、教会に行こうとして、何らかの理由で行けなかったとしたら、それはあちら様に拒否られているのだとある方がお話しされていました。
前日寝込んでいたので、どうなることかと思いましたが、あっさりと席が用意されていて、歓迎されているのだと観じました。

ここまででも長くなりましたので、続きはまだ今度。


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