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光を観る旅パート1

波乱の予感しかない旅行前夜でした。

まず、スーツケースが他のスーツケースの鍵で締まってしまい、このスーツケースの鍵はどこだったろうかと記憶を手繰れば、どうやら当該スーツケースの中らしい。

締まったくせに、その鍵では開くそぶりもなく、どうしよう、鍵開け屋さんを呼ぶか、無理矢理こじ開けるか(つまり壊すか)、思いを巡らせて、よくドラマで見かける、ヘアピン二本使うのはどうだろうとガチャガチャやってみて、娘に交代してガチャガチャやっていたら、なんとカチャリと開きました。
職業の選択肢が増えたかもしれません。

やれやれと眠りに就こうとした23時20分頃、電話が鳴っているのに気が付きました。
こんな時間に何?よくない予感を覚えながら出ると、マンションの住人からで、上の階から水漏れがしていて、水を流さないでほしいと頼んだにも関わらず、お風呂に入っているので、見に来て欲しい。これ以上水を流すのなら警察に通報してもいいですかねと、管理組合長だからそういう権限があると思われている様子で、延々捲し立てています。

そうですか。それは困りましたね。いや、流石に今からは。警察は民事不介入ですから。管理組合長はそこまでの権限はないんですよね。管理人と管理会社に伝えたなら、そこでお待ちいただいて。
とか何とか、のらりくらりと、私が電話した立場だったら何の解決にもならないことを「明日は四時起きなのになぁ」なんて頭の隅で思いながら述べていると、「こんな時間に何?」と、娘の(天の)声。
興奮していた相手の方も、急に我に返ったようで、あ、すみません夜分に。失礼しましたと、そそくさと電話を切りました。

やれやれと思い、布団に入ったのですが、頭の中では、その件の対策をあれこれ考えていて、あまり眠れずにアラームの音を聴くことになりました。

朝起きて、うわ、何だか気持ち悪い。昨日の電話の毒気にでも当てられたか。いやいや、そんなことを思うから当てられてしまうんだと思い直し、家を出ました。
居酒屋の前で、酔客のスプラッシュの跡を踏みそうになり、それもかろうじてクリアして、羽田空港ではラウンジでドリンクをいただきながら、気持ち良く過ごしていました。

乗り継ぎの長崎空港で、何か食べようかと目論んでいたのに、まだレストランは開いてなくて、だったら保安検査をくぐってから、中で待ってようかね、という頃から何となく本当に具合が悪くなりました。

福江島行きの飛行機は、再三のディレイセットで、しかも天候不良のため、着陸できない時は長崎に引き返すという条件付きのフライトでした。

遅れたために、お食事代をお返ししますと、窓から英世が覗く封筒を渡されて、人間とは、かくも現金なものかと、るんるんしながら飛行場の地べたを歩いて飛行機に向かいました。

ORCとANAとJALの共同運行ですって


後方のドアがそのままタラップになる仕様の、プロペラ機でした。
たった一人だけのCAさんもめちゃ美人で、具合は悪いんだけど気分はアガリました。
久しぶりに見る、人力のセーフティデモも、食い入るように見つめて、変なヒコーキ好きなおばさんになっていたと思います。

福江に来るまでに長々と書き連ねてしまいました。
続きは次回。
長い文章書けないのですみません。

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