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「なんで学校に来ないの?」

先日、長女は2ヶ月ぶりに登校した。登校できたのはその日が校外学習だったから。直前まで行こうか悩んでいたけれど、校外学習前日に担任が家庭訪問にきて、そのときに色々話せたからか、行きたくない気持ちより、行きたい気持ちが勝ったようで、お腹がちょっと痛いけど…と言いながら、行ってきた。

帰ってきた長女は、笑顔だった。

その様子を見ていた次女は、わたしも校外学習があったら行きたい!と、目をキラキラさせて言っていた。そんなとき、次女の担任から「遠足」があるとのことで、プリントを自宅まで持ってきてくれた。

次女は行く気になっていたのだけれど、当日朝、「めんどくさくなってきた…。」と言いだした。次女のめんどくさいには、裏に本音が隠れている。めんどくさい以外の言葉で、何か適切な言葉はないか?と尋ねると、「何か聞かれたりするのが不安だ。」と返ってきた。

前日に、リュックもきちんと準備していた。持っていくお菓子も買って、本当に楽しみにしていたけれど、結局、当日、参加はできなかった。

いく直前になって、ポロポロと涙を流していた。その涙の裏には、「行きたかった」という気持ちがあったように思う。以前のような「行きたくない」涙ではないなと、直感で思った。

だから、「準備もしっかりしたし、先生の顔だけ見に行くというのはどう?」と提案してみた。

次女は、笑顔で「うん!」と答えた。

***

長女も次女も久しぶりに学校に行くとなると、同じように感じる不安があるという。それは、

なんで学校来ないの?

と聞かれることだという。校外学習のときも、直前に言っていたのは「こういうときだけ来るの?」と言われたらどうしようということだった。

次女に、「もし、そうやって聞かれたらどう答える?」と聞いてみた。次女は、「ちょっと答えられないかなっていう」と言っていた。きっと、悪気なく聞いてくるような子に、そのような返答をしたら、返ってくる言葉は「え、教えてよ!」みたいなものだと思う。もちろん、これはわたしの想像だけど。

小学3年生は、微妙だ。言葉の裏に隠された本音を汲み取って、「そっか。」と済ませられる子が何人いるだろう。踏み込まない線引きができる子が、何人いるだろう。

ふと、次女に聞いてみた。「もし、学校に来ないお友達がいたとして、その子になんで学校に来ないの?って聞いてみたとするじゃん?次女ちゃんはなんて答えてくれたら納得できる?」

次女から返ってきた言葉は、「言えないって言われたらそれでいい」だった。

そうか、次女は踏み込まない線引きを知ったのか、と思った。わたしの質問が愚問すぎたなと今では思うのだが、次女自身の不登校を通して、次女はいろんな気持ちがあって学校に来れない子がいるということを知った。

あるいは不登校を通し、これまでの自身の感情と向き合ってきて、言葉にできない感情があるということを知ったのかもしれない。

まぁ、そこまで考えているわけではなくて、ほぼほぼ直感というか、感覚なんだろうけども。

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次女の遠足の日、朝、次女と一緒に早めに学校に行き、事務室から担任を呼んでもらった。そして、行くことは難しいということを伝えた。担任は、少し残念そうな顔をしていたが、「あ!日記、いま渡すね!」と言って、次女との交換日記をもってきてくれた。家庭訪問をしていたとき、準備しておくねと言ってくれていた。次女は、そのことをすっかり忘れていたけどね。

交換日記を渡してくれた担任は、軽く挨拶をしたあとに、急いで教室へ戻っていった。その背中を見送ったときに、忙しい時間帯に手間を掛けて申し訳ないなと思った。

このことは、また、スクールカウンセラーと共有しておこうと思う。

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それにしても次女は忘れっぽい。だからこそ、日記を書いてもらうことにした。これを習慣づけてもらおうと思う。

わたしに覚えがあるのだけど、口頭で自身の気持ちを述べよと言われたらかなり難しいのだけど、こうして文字に書き起こすことはいくらでもできる。

次女と担任の日記をみて、わたしと同じタイプかもしれないなと思ったからだ。普段話すときに使う話言葉と比べると、わかりやすく、明快な文章を綴っていた。

日々思ったこと、感じたことを文字で残しておくと、気持ちも頭も整理され、明日の自分の役に立つ、と思う。

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「なんで学校に来ないの?」について、他の不登校の子たちはどのように考えているのだろうと知りたくなったので、ネットの海に頼ることにしてみた。

たどりついたのは、2011年のヤフー知恵袋。『友達が学校に来ません。「なんで学校に来ないの?」と聞いても大丈夫ですか?』という質問だった。実際に不登校当事者の子たちから、様々な回答がついていた。

2011年、いまから10年前だ。この子たちはいま、どうしているのだろうか。

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