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自閉症・発達障害対応のヘルパー経験 

 二十数年前、事務職を週4日しながらヘルパー資格を取りました。所属した事業所は障がい者サービスの割合が高く、ダウン症の子供のケア、知的障害の青年の外出介助(私も楽しかった)等その事業者で経験できました。
 そのうち、なんの知識も経験も説明もないまま、当時は「自閉症」と言いましたが、障害児のホームヘルパーの仕事に入りました。高齢者でも同じことが言えますが、ホームヘルパーは1対1で責任を持つところが大変なところ。施設と違ってその場の対処は相談できない助けてももらえないのです。

 高齢者のヘルパーはご利用者様の意向を尊重した援助をしていきます。

 自閉症のA君に対して、何もわからないまま従ってしまって収拾がつかなくなったのだと思います。座りこまれたら私の腕力では立ち上がらせることはできません。母親に電話をかけ迎えに来ていただきました。こだわりある行動の場所からどうしても引き離せません。他の方に迷惑をかけてしまうこともありました。事業所のトップから「やさしさで従うのは愛情じゃない」と言われました。
 
 やさしさが持ち味と自負する私には、グサッときました。
 聴覚障害児(私が手話ができてもA君は良くてサイン程度です)で自閉症の重かったA君は、母親も対処できておらずストレスで親がまず病んでいる状態でした。私がおろおろサービスに入ってももちろんダメで、経験豊かな他社が入ることになりました。

 次の事業所では、ヘルパーに専念。介護福祉士資格の取得に向けて、高齢者介護保険の仕事を多くしました。

 その中で、自閉症のB君の依頼がありました。理解ある両親と祖父母とお兄さんとの暮らしで、症状は重い(発語なし、食の偏り、こだわり強い等)が安定はしている印象でした。とはいえ、学校のない土曜・日曜の対応を家族が担うのは大きな負担です。土曜・日曜にヘルパーと一緒の3~4時間外出を始めてみたいという依頼でした。満足させながら体力をある程度使わせるということです。
 一社目で知的障害の青年との外出介助経験と、苦い結果でしたが自閉症についての雰囲気の把握があり、私が担当することになりました。

 結果は? 初回はちょっと苦労しましたが
 B君も、私も楽しんで外出できるようになりました。
 B君は話せませんが、私の言っていることは表面だけかもしれませんが分かってくれているようです。

 初回が大切でした。「やさしさで従うのは愛情じゃない」との教えが生きたのです。B君は、この人は許してくれる人か?といろいろやってみます。
体力は同等、わずか私が勝つ程度です。コンビニに私を引き込み、品物をさっと取り買わせようとします。断固、だめなことはダメ。絶対。こちらの気合が伝わりました。楽しい移動部分は楽しく。線路を覗くくせ絶対ダメ等。

 何度も行った動物園、同じ場所同じ順番で巡ります。こっちの経路が早いと思っても自分で決まっている順番を崩しません。いつか、順路を変えられたら良いねと父親に聞いていました。ある日、ふとした瞬間に変えられました!やったー!
 小さめな遊園地と水族館にも多く行きました。飛行場、大きな駅、レストラン等も行きました。
 携帯電話が普及し始めていて、写真を撮っては次回A4にプリントして渡しました。1年少しで転職したため、また、成長して体力ある男性ヘルパーに対応してもらうため他社へ引き継ぎました。軌道に乗っていたので大丈夫でした。
 その後、母親との年賀状のやり取り(ヘルパーとしてグレーゾーンな対応かも)で、何年たっても「写真を見ています」と書いてあり、とても嬉しく思いました。


 ホーピング(聴覚障害と他の障害を併せ持つ児者との交流活動)でも、聴覚障害とともに程度は軽いけれど発達障害を併せ持つ場合があります。
 一人一人で、ひとくくりにはできないと思います。

※ 施設等でのボランティア活動に「強度行動障害支援者養成研修」受講が求められる場合があるので資格は取りました。
 行動障害、情緒障害、発達障害、自閉スペクトラム障害、と呼び方やくくり方が複雑です。


 
 

昔の上野動物園
東京駅?
荒川遊園?

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