若草物語 母としての読書
若草物語 今年は映画上映されています。今までも何度も映画化されている物語です。映画上映にあわせたのか・・1巻と2巻を1冊にまとめたきれいな表紙の若草物語をみつけて夢中で読みました。こんなに本格的に若草物語を読んだのは初めてだったかもしれません。
母になり、子育てを終えて読む物語は、母としての読みかたになっていました。4人の子育ての中、大変ながらもう大きくなったわが子のとのことばのやりとりが、なんともこころに残ります。
印象深いやりとりがあります。末っ子のエイミーが学校で事件をおこします。その件でエイミーは先生にうまれてはじめてムチでうたれたのです。その日家族会議の末、お母さまは先生にお手紙を渡します。そしてエイミーに伝えました。「明日から学校へ行かなくてもいい。「」エイミーは安心して自分のくやしさをぶつけるのですが、それに対しては「かわいそうに」と声をかけてくれないのです。先生の罰し方が悪いのであって、あなたのしたことは悪いとはっきりと伝えるのです。やりとりの加減が素晴らしいのです。冷静に対応するとはこのことですね。子どもへの伝え方は大変参考になる本だなと思います。
甘やかすと甘えさせるとは違うと言いますが、実際には難しいですよね。この本を読むことで、何となくわかるのではないかなと思います。
ガミガミ言うわけではないけれど、反応がわかりやすいお母さま。そっけないことばは言うけれど、いつまでも愚痴を言わないお母さま。四人もいるのに実に落ち着いています。
自由を与えて自分で気づかせる。しつけの極意ですね。お灸をすえると書いていましたが、わかりやすくていいお灸のすえ方です。ことばでもきちんと大切なことを伝えています。4人の子どもたちは実に素直に「わかりましたた。」と答えています。こころからの「わかりました」です。言わせるのではなく、自然に出てくることばには力が宿っているものです
親子のお手紙のやりとりも素敵ですよ。愛される母の姿もわかりやすいです。母としては安心することばたちです。若いお母さんたちにこそ、素敵なことばのやりとりを物語として届けたいと思いました。こうでなければいけないということでもありませんが、人と人とのやりとりが時代が変わった今だからこそ、思い出したいお話だと思います。
子どもたちにも読んでほしい若草物語。小学生でも読んでほしいものですが、大人の書物として中学以降にもぜひ手にしてほしいと思います。
娘の立場をして読むことと、母になってから読むときとでは感じかたも違うもの。でも親子で読めば、それぞれに感じることもありながら、共通のあたたかさも感じられることでしょう。
メグ、ジョー、ベス、エイミー。世界でもっとも愛されている四姉妹のかけがえのない、しあわせな日々へようこそ。
こんなことばで始まっていきます。
この物語はフィクションです。でも時代は決して作られたものではありません。幸せな日々へようこそ・・こんなに恵まれた世界で生きるわたしたちには失われつつある言葉のように感じます。
自分たちのしあわせにも気づいていきたいですね。
素敵な物語を思い出してみてくださいね。
わたしはまた、もう一度読みたいと思っています。
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