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読書とは自分に会うためにするもの

ここのところずっと読書術カテゴリの本を読み漁っている。以前ブログでも紹介した「読んだら忘れない読書術」にて、固め読み(同ジャンルの本を同立て続けに読む)を推進されたこともあり、なんとか自分の読書法を確立したい一心だ。

そしてわたしの5〜6冊読んだ読書本では「読んだら忘れない読書術」と今回読んだ「精神科医が教える 良質読書」が見事マイベスト読書本入り!この記事はブログ移行に伴って1年前のものをリライトしているのだけど、1年たった今もやはりダントツで良本。

まず、最初の冒頭文からやられた。

読書とは自分に会うためにするもの

 この文は、読書嫌い(なんと!)な著者が、読書をする理由として語られたひとつである。

最初から確信をつかれた。わたしが本を読みたい理由、読む必要があると感じている到着地点はここだったなと、冒頭から姿勢を正すに至った。ではより自分と出会い続ける読書をするには、どんな姿勢で挑めばよいのだろう。

「限界を超える読書」をすると、思わぬ副産物があります。心が落ち着き、人の話を聞くのが上手になるからです。
難しい本を理解しようとする姿勢は、相手の話を理解しようとする姿勢につながるからです。
自分の枠組みを超えたわかりにくい本に、毎日30分でも向き合って読むという訓練をする。そうすることで、自分とまったく感性の異なる「他人の話」に耳を傾けることができるようになるのです。

ここまではまだ「はじめに」の段階なのだけど、この時点でわたしは本棚に眠っていた「経済がわかる 論点50 2020」を引っ張り出し、再読を決意。知らない用語も多くて1日1ページ読むのに精一杯だし、参考書ばりに書き込みがえぐいことになってしまったけど、自分の中に湧き出てきた「難しい本に立ち向かいたい気持ち」を無駄にしたくない衝動にかられた。(恥ずかしいけど写メを載せておく)

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 話が少しずれるが、わたしはいつも、挫けそうなとき(がよくある)「お守り言葉」を大切に生きている。 職業柄、難しい資料に目を通す機会もあるのだけど「難しい本を理解しようとする姿勢は、相手の話を理解しようとする姿勢につながる」という言葉は、確実にその後のわたしの糧になった。

そもそも著者の名越康文さんの考え方がとても好きだ。本の節々から伝わる名越康文さんは、粛々と自己成長し、他人の話に耳を傾けながら人間の不思議さをおもしろがっている人に見える。

  このへんとかも、うわ!となった。こんな風に本を読もうとするのか、と。

 私は「体癖論を深めたい人は推理小説を読みなさい」と言っています。体癖論とは、人の体のもつ感受性の違いが、人の性格やものの考え方に大きな影響を与えている、とする考え方です。
(中略)推理小説では、みんなから疑われている「いかにも性格や行動に問題がありそうな人」が犯人であるケースは、ほぼありません。「まさか」という人が犯人です。
 それを探偵は、観察力と洞察力、そしてひらめきを利用しながら推理していくわけです。これは体癖論にとっても、すごく有効な思考能力なのです。なぜなら人間は、「こう見てほしい」「こう見られたい」と、演じているところがあります。自分の性質を自然に隠す。
「私はすごく飽きっぽくて」と言う人の中に、意外に凝り性な人が混じっていたりします。これを見破るには、推理小説スキルがないと解けません。
そのためには、人間に関するたくさんの引き出しを持っておく必要があります。

 この読み方は、精神科医の方じゃないとなかなか気づけない視点かもしれないから、純粋に知ることができてうれしい。この言葉選びの巧みさも、はまってしまう。

 言葉選びでいうと、このへんもおもしろい。

たとえば仕事に悩んでいる、人間関係に悩んでいる、親子関係に悩んでいる。誰かからアドバイスがほしい。けど誰も教えてくれない。このように、自分が「飢えている」ポイントがあるとします。飢えのある状態で読書をすると、その「飢え」を満たす言葉を脳(心)が感覚や直感を研ぎ澄ませて勝手に探し始めるのです。
何かの乾きをもちつつネットや書店を見渡していると、やがて「ここ!」というように、キーワードが自然と浮き上がってくる瞬間がきます。

わたしはたまに「なんでこんな夢を見るんだろう」という日が続くことがあるのだが、そんなときは「自分の深層心理どうなってるんだ」と不安がよぎる。

きっとその夢たちは、無自覚にある自分自身の「乾き」や「不安」もしくは「不足」からきていて、そしてそれらに自力で気づくことは意外と難しい。だから本を読む、もしくは書店に足を運ぶ必要があるのだと思った。

「読書」とは、本と自分とやりとりする時間

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「読書とは、本と自分とやりとりする時間」

この言葉に尽きる。本に、自分に丁寧に向き合う時間を、読書というひとときが与えてくれている。

ああそしてやっぱりいいな。好きなこと、好きな時間をもっと好きにさせてくれる本って。気持ちいいな。

読書が好きな人は、ぜひこの本で磨きをかけてほしい。好きじゃない人は、少しでも好きになってくれたらと思う。



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