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Web編集者の読書癖

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本がないと生きていけない。
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#最近の学び

2021年マイベスト本【エッセイ・対談・小説・歌集】

エッセイが好きだ。対談が好きだ。小説と歌集は、文章の仕事でありながら、文章の仕事から離れさせてくれる文章として好きだ。 2021年は特に多くのエッセイを読んだ年だった。コロナ禍で自粛ばかりで、自分の心に向き合いたかったから。他者の雑談に触れないと、自分について気付く機会がとても減るのだと知ったから。 ということで、2021年読んだ中でも特に面白かった本をまとめて書き記そうと思う。今回はエッセイ、対談・往復書簡、小説、歌集。 ↓ビジネス・自己啓発はこちら。 2022年も

多様性を学ぶことは、目の前のひとりを知ろうとすること

先日、編集の仕事である失敗をした。 添削し終えたライターさんの原稿を最終チェックに回したところ、編集長より添削漏れの指摘をいただいたのだ。 記事はお酒のおつまみにぴったりな商品の紹介。下記の文章にコメントが入った。 添削漏れ、というより私はこの誤りに気付けなかった。我が家では夫より私の方がお酒が大好きでよく飲むし、新婚時代に飲んでいた私に「既婚者はさっさと帰れ」と言った男友達への不満をブログに長々と綴ったこともある。なのにだ。 この添削ができなかった私は、「既婚者はさっ

#2022年の問い① 「なぜ本を読むのか」

2022年は、スタート時に年始の目標を表明するのを辞めて、そのかわり年末年始の時間で「考える」をやろう。 実はあらかじめ、そんな計画を立てていた。毎年、年始は目標を掲げたり振り返ったりをSNSやらブログやらで表明していたのだけれど、なんだかその流れを変えたくなったのだ。(みんなやってるしね) で、そのために昨年の12月はもっぱら「考える時間に考えたいこと」を付箋に書き出しておいた。「本当にやりたいこと」「やらないと決めること」などベタな問いから「好きなこと」「無駄だけどや

読書=自分とは違う誰かの視点で、この世界を覗きに行くこと

どの雑誌だったのかは忘れてしまったけれど、ここ数日ずっと心に残っていた言葉がある。 それは小説家・朝井リョウさんの「読書」に関するインタビュー記事。朝井さんは小説に必要な情報収集について、必要なものだけネットで検索する...わけではなく、関係する自伝やインタビュー、対談集をそれぞれ1冊ずつ購入すると話している。 自分がもともと知りたいと思っていた情報に巡り合うまでかなりの時間と労力を要するし、確実に効率が悪いと朝井さんは断言する。それでもその方法を貫くのは、小説を書く上で