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【渋谷教育学園幕張中学校2021年度入試算数第4問】典型的『すべらず回転問題』

今回は本当に典型的な「すべらないようにして○○を転がす」問題です。一般に難しいとされている問題ですが、何度でも言います。バカの一つ覚えなので覚えてください。

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渋谷教育学園幕張中学校・高等学校
2008年6月20日、Kattin撮影、Wikipediaより

問題

図1 のように,おうぎ形 A とおうぎ形 B があります。おうぎ形 A の半径 OP は 6cm で中心角は 60° です。おうぎ形 B の半径 QR は 12cm で中心角は 30° です。

図2 のように,おうぎ形 B の半径 QR の上におうぎ形 A を,P と Q がぴったり重なるように置きます。そして,おうぎ形 A を,すべらないようにしておうぎ形 B の周りを矢印の方向に転がし,おうぎ形 A の半径 OP の一部の線がおうぎ形 B の半径 QR と再び重なったところで転がすのを止めます。

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このとき,次の各問いに答えなさい。なお,円周率は 3.14 とします。

(1) 転がすのを止めたとき,QO の長さは何cm ですか。

(2) 点 O がえがく線の長さは何cm ですか。

解答解説

この問題は O がえがく線をかくことができるかどうかが全てです。

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書くための基本は、O が P もしくは P とは反対側の弧の端の点(これをSと呼びます)を中心にしておうぎ形を描いているか、弧が地面に触れていて地面に対しておうぎ形 A の半径である 6cm を保って動いているか、のどちらかだということです。

最初は、O を中心にしておうぎ形 A が回転して、S が R に重なり、次に Sを中心にして O がおうぎ形をえがきます。これは次の図形に変わるまで続くのですが、次はおうぎ形 B の弧と おうぎ形 A の弧が合わさるところなので、QR と SO が一直線に並ぶところまでとなります。

この後、O は B のおうぎ形と距離 6cm を保って移動します。そして、おうぎ形 A の弧の長さ = おうぎ形 B の弧の長さ = 6.28cm なので、おうぎ形 B の下の直線と PO が一直線になるまで続きます。

ここから、点 P を中心におうぎ形をえがくように O が動き、それから O を中心におうぎ形 A が動いた後、点 S と Q が重なった状態で、S を中心に O がおうぎ形をえがきます。

ここで、O が QR に平行におうぎ形 A の半径分だけ動いた後、P を中心におうぎ形をえがいて R の向こう側について止まります。

ということで、(1) は 6.28 + 6 = 12.28cm となります。

(2) は 12 × 3.14 + (18 × 2 × 3.14 ÷ 12) + (12 × 3.14 × (2/3)) + 6.28 + (12 × 3.14 ÷ 4) = (12 + 3 + 8 + 2 + 3) × 3.14 = 28 × 3.14 = 87.92cm となります。

感想

最初に話したように、この問題は O がえがく線をかけるかどうかがすべてです。それ以上でもそれ以下でもありません。

実際、私自身は図をかいたあとは「ということで、(1) は…」に飛んでいます。その間にある文章は解いた後に付け足しています。

でも、Oがえがく線をかくことが難しいらしいので、おそらく差がつく問題だったと思います。

とはいえ、私にはこの問題が難しいというのは理解できません。そのくらいやることがパータン化されている芸のない問題だと思います。

やたらと3.14の掛け算が出てくるので計算がめんどうだとは思いますが。

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