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【海城中学校2020年度入試算数第1問(5)】中学入試における図形問題の基本

大学入試の新作が始まったために中学入試の問題を取り上げる機会がなくなっていて、なかなか準備する時間がありません。今回はつなぎで申し訳ないですが、昨年度の中学入試の問題から基本的な問題を取り上げます。海城中学校の2020年度入試、算数第1問(5)です。

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海城中学校・高等学校
2008年1月19日、陸の王者撮影、Wikipediaより

問題

下の図のように,1辺の長さが 2cm の正方形 ABCD と,点 D を中心とする半径が 2cm のおうぎ形があります.図のア(下図のa)とイ(下図のb)の部分の面積が等しくなるとき,PC の長さは何 cm ですか。

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解答解説

いわゆる小問群の一問で、高速に処理(しょり)すべき問題です。この手の問題では間違っても∠CBPが何度かを考えてはいけません。即死します。

中学入試の問題では、直接的な面積の比較が難しい場合、となり合う部分をまきこんで考えるのが鉄則。そうすると簡単に解法が思いうかびます。

今回の問題では、△BPCと(正方形ABCD - おうぎ形BAC)が等しいと見なせばいいだけです。もしくは、おうぎ形BACと台形ABPDが等しいと見なしてもいいでしょう。

正方形ABCD - おうぎ形BAC = 2×2-2×2×3.14÷4=4×(4-3.14)÷4 = 0.86 (cm2)となり、三角形BPC = PC×2÷2 = PC (cm2)となるので、PC = 0.86 (cm) となります。

感想

この手法はそこそこの中学を受験する小学生ならば誰でも知っていると思うのですが、これが難問に隠れると案外見落とされたりします。

特に、今回のように「等しい」場合には簡単に解けるのですが、比がからんでくると難しくなります。例えば、次の問題は難問中の難問です。

ですが、このような問題でも、となりあう図形をまきこむのが有力な手段となっていて、それを使って2つの図形の面積比を求めさせています。となりの図形をまきこむ手法は応用範囲が広いので、使いこなせるようにするといいでしょう。

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