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【灘中学校2021年度入試(1日目)算数第4~7問】軽快にこなすべき小問群

さて、今回も灘中学校です。2回目。1日目の算数は小問群ですが、まだまだ2ページ目。一般の受験生には重いですが、このレベルの人たちには問題ないでしょう。

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灘中学校・高等学校
2011年8月28日、Saoyagi2撮影、Wikipediaより

第4問

下(原文は右)の図のような正方形 ABCD の辺上を 3点 P, Q, Rが動きます。

点 P は点 B を出発し図の矢印の向きに,点 Q は点 A を出発し図の矢印の向きに,点 R は点 C を出発し図の矢印と反対の向きに動きます。

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点 Q の動く速さは点 P の動く速さの 3倍です。3つの点が同時に出発し,点 P と点 R がはじめて出会うのにかかった時間は,点 Q と点 R がはじめて出会うのにかかった時間の 2倍でした。点 R の動く速さは点 P の動く速さの(   )倍です。

第5問 

A は 2桁の整数で,A × A を 15 で割ると 1 余ります。このような A は全部で(   )個あります。

第6問

2 以上の整数 A に対して,A の約数をすべてかけあわせてできる数を [A] と書きます。例えば,

[6] = 1 × 2 × 3 × 6 = 36

です。

B = 6 のとき [2 × B]/[B] = ( ① )です。また,[2 × C]/[C] = 192 となる 2以上の整数 C は( ② )です。

第7問

X は3桁の整数で,どの2つの位の数も異なります。X を 7倍すると 4桁の整数 ABCD を作ることができ,A > B, B > C, C > D, D > 0 となりました。このとき,X は(   )です。

解答・解説

第4問は比を考えると分かるでしょう。

・QとR がはじめて出会うのにかかった移動距離の総和 = 辺2本分
・PとR がはじめて出会うのにかかった移動距離の総和 = 辺3本分
・QとR がはじめて出会うのにかかった時間と、PとRがはじめて出会うのにかかった時間の比は 1 : 2

という状況から、QとRの速さの総和 : PとRの速さの総和 = (2/1) : (3/2) = 4 : 3 となります。

ここで、Qの速さ : P の速さ = 3 : 1 なので、比の差を 2 に調整します。すると、QとRの速さの総和 : PとRの速さの総和 = 4 : 3 = 8 : 6 なので、P の速さ : Q の速さ : R の速さ = 1 : 3 : 5 となり、Rの速さはPの速さの 5倍となります。

第5問は余りを考えるといいでしょう。ベタな方法は 15 で割った余りを考えることで、A を 15 で割った余りが 1, 4, 11, 14 のときに A × A を 15 で割った余りが 1 になります。(A = 0 ~ 14 として計算してみてください。)

99 ÷ 15 = 6 … 9 なので、99以下の整数で 15 で割った余りが 1, 4, 11, 14 となるのは 4 × 6 + 2 = 26個、そのうち、9以下のものは 1, 4 の2個、ということで、26 - 2 = 24個となります。

第6問は少々難しいかもしれません。

は計算すればいいだけで、[B] = [6] = 1×2×3×6 = 36, [2 × B] = [12] = 1×2×3×4×6×12 = 36×48 なので、[2 × B]/[B] = 48 となります。

問題は。①で感覚がつかめているかどうかで話が変わってきます。

まず最初に 192 = 2 × 2 × 2 × 2 × 2 × 2 × 3 であることを確認しておいてください。2 が6個です。

そもそも、2 × C の約数で C の約数でないものの中に 2 × C 自身があります。ですので、C = 2 ×…× 2 × 3 という形になるのは想像できます。あとは 2 の個数です。

このとき、C の約数に出てこない 2 × C の約数は 2 × C ÷ 3 と 2 × C の2つであることも分かるかと思います。

ということは、2 × C = 2 × 2 × 2 × 3 となり、C = 2 × 2 × 3 = 12 となります。

第7問は可能性を限定していけばよいでしょう。

そもそも、999 × 7 = 6993 となるので、A ≦ 6 です。また、A > B > C > D > 0 より、A ≧ 4 です。ということで、A は 6, 5, 4 のどれかなので、Xの百の位は 9~5になります。あとは地味に調べましょう。

まあ、D は 3, 2, 1 のいずれかになるので X の一の位は 3, 6, 9 しかありえないことに注意しておくといいでしょう。

百の位が 9 のときは 900 × 7 = 6300 なので、十の位は 3, 2, 1, 0 に限定されます。
・930 × 7 = 6510 … この場合、933 × 7 = 6531 ですが、933 はNG
・920 × 7 = 6440 … この場合、十の位から百の位に繰り上がりが必要ですが、929はNG
・910 × 7 = 6370 … この場合、十の位から百の位に繰り上がりが必要ですが、919, 916 はNG
・900 × 7 = 6300 … 903 × 7 = 6321 でOK

よって、X = 903 となります。

感想

どれも受験生のレベルからすると解けない問題ではないですが、重要なのは時間です。いかに効率よく解いていくかが合格へのカギになると思います。

幸い、大学受験と違って答案を作る必要はないので、上手にメモを取って解いていく訓練が必要だと思います。

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