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【灘中学校2021年度入試(2日目)算数第5問】立体認識能力が全て問題

いよいよ最後の問題となりました。第5問です。個人的には難しくないですが、実際にはいろいろと大変かもしれません。

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灘中学校・高等学校
2011年8月28日、Saoyagi2撮影、Wikipediaより

問題

図1は,1辺の長さが 6cm の立方体 ABCD-EFGH です。この立方体の面 EFGH は水平な地面についています。

この立体から,図2 の斜線部分の正方形を底面とし,高さが 6cm の直方体をくりぬきます。次に,図3 の斜線部分の正方形を底面とし,高さが 1cm の直方体をくりぬきます。さらに,図4 の斜線部分の正方形を底面とし,高さが 1cm の直方体をくりぬきます。このようにしてできる図5 の立体を P とします。

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(1) 立体 P の体積は(   )cm3 です。

(2) 立体 P を,頂点 A, C, F を通る平面で切り取って 2つの立体に分けたとき,頂点 B を含(ふく)む方の立体を Q とします。

(ア) 下(原文は右)の図は,立方体 EFGH から 5cm の高さにある平面で立体 Q を切ったときの真上から見た切り口をかき入れたものです。その平面とメン AEFB の交わりを太線で表しています。立方体の面 EFGH から 4cm,3cm,2cm の高さにある平面で立体 Q を切ったときの真上から見た切り口を,下の図に習って書き入れなさい。

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(イ) 立体 Q のうち,面 EFGH から 2cm の高さにある平面と面 EFGH とではさまれた部分の立体の体積を求めなさい。

(ウ) 立体 Q の体積を求めなさい。

解答解説

(1) は素直に書かれている通りに立方体から直方体を引けばいいでしょう。6 × 6 × 6 - 4 × 4 × 6 - 2 × 2 × 1 × 2 = 216 - 96 - 8 = 112cm3 となります。

(2) (ア) は … これも素直に解けばいいだけだと思います。多分、最初に P を高さで切って、そのあとで頂点 A, C, F を通る平面で切った方が分かりやすいと思います。(切る順番を変えても同じであることに注意してください。)

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(イ)は、2cm × 2cm の直角二等辺三角形を底面として、高さが 2cm の三角すいなので、2 × 2 ÷ 2 × 2 ÷ 3 = 4/3 = 1(1/3)cm3 となります。

(ウ)は、一般にはどのように求めていくか分かりませんが、私には立体 Q は次のように見えました:
・6cm × 6cm の直角二等辺三角形を底面として、高さが 6cm の三角すい(体積 = 6 × 6 ÷ 2 × 6 ÷ 3 = 36cm3)から、
・4cm × 4cm の直角二等辺三角形を底面として、高さが 4cm の三角すい(体積 = 4 × 4 ÷ 2 × 4 ÷ 3 = 32/3 = 10(2/3)cm3)を取り除き、
・さらに、2cm × 2cm の直角二等辺三角形を底面として、高さが 2cm の三角すいの上から 1cm の部分を取り除いた図形(体積 = 2 × 2 ÷ 2 × 2 ÷ 3 × (1 - (1/8)) = 7/6 = 1(1/6)cm3)を2個分取り除いて
できた図形。

あとはこれらを素直に計算していけばいいので、36 - 10(2/3) - 1(1/6) × 2 = 36 - 13 = 23cm3 となります。

感想

2日目の問題は答えだけでなく、求め方を書くスペースがあるので、どこまで書く必要があるのか気になるところです。

例えば、(2) (イ)は特に書くことがあるようには思えません。

(ウ)もさほど書くことがある気もしませんし、どこまでが要求されているのでしょうね?

どちらにしても、この問題は意外にも難しくありません。第4問の方がはるかにやっかいです。高速で解きたいところです。

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