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【速報・灘中学校2021年度入試(1日目)第12問】相変わらずえげつない展開図

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灘中学校・高等学校
2011年8月28日、Saoyagi2撮影、Wikipediaより

第12問

ある立体の展開図を,幅が 3cm の方眼紙にかくと,下(原文は右)の図の太線のようになりました。斜線をつけた三角形は正三角形です。また,正方形でない四角形の面はすべて長方形です。

この立体の体積は(   )cm3 です。

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解答速報

どのような図形が出来上がるかを説明するだけでも面倒です。2つの図形がくっついた図形になっています。

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1つ目(赤と黒からなず図形)は、長さ 9cm の2本の辺で直角をはさんでいる直角二等辺三角形を3枚用いた三角すい(これを三角すいAと呼びます)から、縮尺 1/3 の三角すい(これを三角すいBと呼びます)3個分を取り除いた図形です。

この部分の体積を求めるのは簡単で、
・Aの体積 = 9 × 9 ÷ 2 × 9 ÷ 3 = 243/2
・Bの体積 = 3 × 3 ÷ 2 × 3 ÷ 3 = 9/2
なので、(243/2) - (9/2) × 3 = (243/2) - (27/2) = 108cm3 となります。

問題は2つ目(赤と緑の図形)で、Aの正三角形の面を底面として高さが不明の三角すい(これを三角すいCと呼びます)から、縮尺 1/3 の三角すい(これを三角すいDと呼びます)と、底面がCの底面の縮尺 1/3 で、高さが Cの高さの 2/3 の三角すい(これを三角すいEと呼びます)3個分を取り除いた図形です。

Cの高さが直接求められないため、答えを求めるのが難航(なんこう)しそうですが、Eの体積とBの体積が同じであることがカギとなります。というのは、別の見方をすると底面と高さが同じだからです。

ということで、
・Eの体積 = Bの体積 = 9/2
・Cの体積 = (9/2) × 3 × 3 × (3/2) = 243/4
・Dの体積 = (243/4) ÷ 3 ÷ 3 ÷ 3 = 9/4
となるので、2つ目の図形の体積は (243/4) - (9/2) × 3 - (9/4) = 45cm3 となります。

以上から、2つの図形を合わせると 108 + 45 = 153cm3 となります。

追記

図形を描き終えての感想ですが、去年の図形よりは描くのは簡単で苦労はしませんでした。

しかし、問題を解くときに頭の中で組み立てることができず、実際に紙に図を描いて状況を把握していきました。そこで出てきたのが上記のアイデアです。

描いてしまえばどうということはないとはいえ、やはり受験生には難しい問題だったと思います。

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