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【渋谷教育学園幕張中学校2021年度入試算数第2問】ちょっと面倒な数え上げ問題

渋幕の2問目です。デジタル時計を使った列挙問題(数え上げ問題)です。

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渋谷教育学園幕張中学校・高等学校
2008年6月20日、Kattin撮影、Wikipediaより

問題

図1 のような六角形のライトが,たくさんあります。

これを図2 のように 28個ならべ,00 : 00 から 23 : 59 までの時刻を表すデジタル時計をつくりました。

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このとき,次の各問いに答えなさい。ただし,0 から 9 までの数字は,図3 のように表すこととし,時または分を表す数字が 0 から 9 までのときは,十の位に 0 を表示します。

例えば,午前 2時 1分は 02 : 01,午後 8時 5分は 20 : 05 と表します。

(1) と (3) で時刻を答える場合も,02 : 01,20 : 05 のように表しなさい。

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(1) 点灯しているライトの本数がもっとも多い時刻は,何時何分ですか。

(2) ある時刻にライトが 12本点灯していました。考えられる時刻は何通りありますか。

(3) ある時刻に点灯しているライトの本数と,その 1分後に点灯しているライトの本数を比べます。点灯しているライトの本数が 1分後にもっとも多く増えるのは,何時何分ですか。考えられる時刻をすべて答えなさい。

解答解説

この問題は最初に、0 から 9 までの数字を点灯しているライトの本数で分類してあげることから始めます。

・2本 … 1
・4本 … 4, 7
・5本 … 2, 3, 5
・6本 … 0, 6, 9
・7本 … 8

これを元に解答を考えていきます。

(1) は時と分で十の位に使える数字で点灯しているライトの本数がもっともおおいのは 0 で、単にもっともおおいのは 8 なので、08 : 08 となります。

(2) は、点灯しているライトの本数がちょうど12本となる時と分の組合せは、4本と8本、6本と6本、8本と4本の3通りとなります。

ここで、5本と7本もしくは7本と5本という組み合わせは実現できないことに注意してください。

あとは、4本、6本、8本で実現できる2桁の数字を考えていくと、
・4本 … 11
・6本 … 14, 17, (41)
・8本 … 01, 10, 16, 19, (44), (47)
となります。ここでカッコ書きは分では使えるけれども、時では使えない数字です。

この結果、
・4本+8本 … 1 × 6 = 6 通り
・6本+6本 … 2 × 3 = 6 通り
・8本+4本 … 4 × 1 = 4 通り
となるので、合計で 6 + 6 + 4 = 16 通りとなります。

(3) は、数字が 1 増えるときに点灯するライトの本数がもっとも増える数字を探します。すると、1 → 2 と 7 → 8 でともに3本増えているのがもっとも大きいことが分かります。

さてここで、9 → 0 が1本も増えないので、19 → 20 や 79 → 80 でも3本増えることに注意してください。(79 という数字は時計では出てきませんが。)

さらに、? 1 : 59 → ?2 : 00 を考えると、分のところで点灯しているライトの本数が 1 本増えることに注意してください。

したがって、?1 : 59 と ?7 : 59 と 19 : 59 という形がもっとも増えることになります。

これに当てはまるのは 01 : 59,07 : 59,11 : 59,17 : 59,19 : 59,21 : 59 の6通りとなります。

感想

この問題は地味に面倒な問題だと思います。

特に (3) は 1 → 2 と 7 → 8 を見つけるのは易しいですが、そのあとどのように考えるかが悩ましいです。さらに、19 : 59 が盲点(もうてん)で、抜けてしまう可能性があると思います。

ここは確実に (1) を取って、(2) もできれば取りたいところです。

ちなみに、(2) は合計12本となる数字の組合せ(2 + 2 + 2 + 6 または 2 + 2 + 4 + 4本)で場合分けをして
・(1,1,1,0) … 4通り(0 は ab : cd の a ~ d のいずれか)
・(1,1,1,6) … 2通り(6 は ab : cd の b, d のいずれか)
・(1,1,1,9) … 2通り(9 は ab : cd の b, d のいずれか)
・(1,1,4,4) … 3通り(4 は ab : cd の b ~ d のいずれか)
・(1,1,4,7) … 4通り(7 は ab : cd の b, d のいずれか、4 は b ~ d のいずれか)
・(1,1,7,7) … 1通り(17 : 17 のみ)
の合計 4 + 2 + 2 + 3 + 4 + 1 = 16通りと求めてもよいでしょう。

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