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【灘中学校2021年度入試(2日目)算数第3問】

今回は平面図形の問題ですが、らくしないです。易しいと思います。

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灘中学校・高等学校
2011年8月28日、Saoyagi2撮影、Wikipediaより

問題

1辺の長さが 2cm の正六角形 ABCDEF があり,下の図のように点 G, H, I, J, K をとります。4点 G, H, I, F は同じ直線上にあり,4点 A, I, J, K は同じ直線上にあり,4点 G, C, D, K は同じ直線上にあります。

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(1) CH の長さは(   )cmで,DKの長さは(   )cmです。

(2) 三角形 AIF の面積は,正六角形 ABCDEF の面積の何倍ですか。

(3) 五角形 CDJIH の面積は,正六角形 ABCDEF の面積の何倍ですか。

解答解説

この問題は読めば (3) までの解き方が読めると思います。いわゆる、誘導問題によってやさしくなっている問題です。

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この図がすべてで、正三角形 ABL (≡ 正三角形 EFM)の面積を基準に考えるといいでしょう。ですので、この正三角形を単に正三角形と呼ぶことにします。

(1) は、三角形 HGC と三角形 HFL が相似比 1 : 4 の相似で、CH + HL = CL = 4cm なので、CH = 4 × (1/5) = (4/5)cm (=0.8cm) となります。

同じように、三角形 JDK と三角形 JMA が相似比 1 : 3 の相似で、MA = 4cm なので、DK = 4 × (1/3) = 1(1/3)cm となります。

(2) は、三角形 AIF と三角形 KIG が相似比 2 : (1 + 2 + 1(1/3)) = 6 : 13 の相似で、2つの三角形の(辺 AF, KG を底辺とする)高さの合計は正三角形の高さの2倍なので、三角形 AIF の高さは正三角形の高さの (6/19) × 2 = 12/19 倍となります。

したがって、三角形 AIF の面積は正三角形の面積の 12/19倍であり、正六角形 ABCDEF の面積は正三角形の 6倍なので、三角形 AIF の面積は正六角形 ABCDEF の面積の (12/19) ÷ 6 = (2/19)倍となります。

(3) は、五角形 CDJIH の面積 = 三角形 KIG - 三角形 HGC - 三角形 JDK なので、これらの三角形の面積を求めればいいことになります。

三角形 KIG と三角形 AIF の相似比は 13 : 6 なので、三角形 KIG の面積は正三角形の面積 の (12/19) × (13/6) × (13/6) = (169/57)倍となります。

三角形 HGC は、GC を底辺とすると、底辺は正三角形の (1/2)倍、高さは (4/5) ÷ 2 = (2/5)倍なので、面積は正三角形の (1/2) × (2/5) = (1/5)倍となります。

三角形 JDK は、DKを底辺とすると、底辺は正三角形の 1(1/3) ÷ 2 = (2/3)倍、高さは(1/2)倍なので、面積は正三角形の (2/3) × (1/2) = (1/3)倍となります。

以上のことから、五角形 CDJIH の面積は正三角形の (169/57) - (1/5) - (1/3) = (693/285) = (231/95)倍となります。

正六角形 ABCDEF の面積は正三角形の6倍なので、五角形 CDJIH の面積は正六角形 ABCDEF の (231/95) ÷ 6 = (77/190)倍となります。 

感想

この問題は正三角形と比較すればいいことがすぐ分かると思うので、それほど難しくないと思います。迷わず答えに向かってほしいところです。

ちなみに、(3) でそれぞれの三角形を正六角形とではなく正三角形と比較しているのは、計算で出てくる数が小さくなるからです。あとでまとめて6で割った方が計算が楽になります。

こういうところは、計算時間を短くしたり、計算間違いを減らしたりするので、地味ですが重要です。

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