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【女子学院中学校2021年度入試第2~4問】極端に軽い2ページ目

女子学院の2ページ目ですが、例年と比べて簡単な問題が並んでいると思います。1ページ目とのバランスということでしょうか?

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女子学院中学校・高等学校、
2009年11月23日、IZUMI SAKAI撮影、Wikipediaより

問題

2. 2つの整数(あ)と(い)の最大公約数は 48 で,和は 384 です。(あ)が(い)より大きいとき、(あ)にあてはまる数をすべて求めると(      )です。

3. ある店でケーキの箱づめ作業をしています。はじめにいくつかケーキがあり,作業を始めると,1分あたり,はじめにあったケーキの数の 5% の割合でケーキが追加されます。3人で作業をすると 20分でケーキがなくなり、4人で作業すると(   )分でケーキがなくなります。また,3人で作業を始めてから(   )分後に4人に増やすとケーキは16分でなくなります。どの人も作業する速さは同じです。

4. 円周率は3.14 として,計算しなさい。

(1) 底面が半径 6cm の円で,高さが 5cm の円柱の側面の面積は(   )cm2です。

(2) 図のように,(1) の円柱の形をした容器 A と,高さ 10cm の正十二角柱(底面が正十二角形である角柱)の形をした容器 B があります。容器の厚みは考えないものとします。

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容器 B の底面の面積を求めなさい。

容器 A にいっぱいになるまで水を入れた後,その水をすべて容器 B に移しました。このとき,容器 B の水面の高さを求めなさい。

解答解説

第2問は式で書くと、(あ) = 48 × (う)、(い) = 48 × (え) という形になるので、(あ) + (い) = 48 × ((う) + (え)) = 384 となります。

要するに、和が 384 ÷ 48 = 8 となる2つの数を求めて、48 倍すればいいことになります。

ただし、2つの数は互いに素(最大公約数が1)でなければいけないので(そうでなければ最終的に得られる2つの数の最大公約数が48にはならないため)、1と7もしくは3と5の2通りで、(あ)は(い)より大きいので、7 × 48 = 336,5 × 48 = 240 となります。

第3問は20分で3人が箱づめしたケーキの数は最初のケーキの数の1 + 0.05 × 20 = 2倍です。したがって、1人が1分で箱づめできるケーキの数は最初のケーキの数を基準にすると 2/(20×3) = 1/30 となります。

4人でケーキを箱づめするとき、箱づめの速さとケーキが増える速さの差は (1/30) × 4 - 0.05 = (8 - 3)/60 = 1/12 となるため、この逆数である 12分でケーキがなくなります。

最後も相対速度で考えます。もし最初の1分を3人でケーキの箱づめを行ったとき、最初より 1/20 だけケーキが減るので、残り 19/20 を4人で箱づめすると (19/20) ÷ (1/12) = 57/5 = 11.4分かかり、合計で 12.4分となります。すなわち、最初から4人でケーキを箱づめするより 0.4分多く時間がかかります。

もし16分でケーキがなくなるならば、最初から4人でケーキを箱づめするより 16 - 12 = 4分が多くかかるので、4 ÷ 0.4 = 10分後から4人で作業したことになります。

第4問も難しくはありません。(1)6 × 2 × 3.14 × 5 = 188.4cm2 です。

(2) ① は、正六角形を中心を通る3本の対角線で6つの正三角形に分けるのと同じように、正十二角形を6つの四角形に分けると、それぞれの四角形の面積はひし形と同じように求めることができます。したがって、容器 B の底面の面積 = 正十二角形の面積 = 5 × 5 ÷ 2 × 6 = 75cm2 となります。

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は、6 × 6 × 3.14 × 5 ÷ 75 = 7.536cm です。

感想

最初にお話ししたように、2ページ目にあたる第2~4問は簡単な問題が多いです。第1問の (6) の方がはるかに難しいと思います。

ということで、今回の問題は解いて当然、いかに速く解くかが重要となります。その中では第3問のつるかめ算が少し手間取るかもしれません。ここをテキパキとこなしたいところです。

もし第3問が分かりにくいと思ったら次のような追いかけっこを想像してみてください。

逃げる側と追いかける側がいて、最初は 1km 離れているとします。逃げる側は常に分速 0.05 = (1/20)km で動くとします。

追いかける側は、低速のときには分速 3 × ○ km で、高速のときには分速 4 × ○ km で動きます。ここで、○に入る数字は分かりません。

この状況で、最初から低速で追いかけた場合には 20 分で追いついた、というのが問題文で書かれている状況です。

このとき、「最初から高速で追いかけたら何分後に追いつくか」と、「最初は低速で、何分後かに高速で追いかけたら16分で追いついたとすると、低速から高速に切りかえたのは追いかけ始めてから何分後か」を求めるのが第3問です。

このように書けば、単純な追いかけっこの問題だと気が付くと思います。

追いかけっこ問題そのものは、いろいろな中学校でもっと難しい問題が出題されています。ですので、この問題も意味が理解できれば簡単な問題だと思います。

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