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2021年を振り返り、2022年にやりたいことを思う

2021年は、親しい人・お世話になった方を沢山見送った年だった。
101歳で亡くなった、北海道のお父さん(夫の父)。親戚のY家のお母さん。同年代の友人のお母さん。仕事でつながりがあり、お世話にもなっている方のお母さん。
ウチがこの地に引っ越してきて、お店を始めることになった27年前、本当に本当にお世話になった工務店(当時)のMさん。開店当時から、作品を置かせてもらってきたコミカルな陶芸家のKさん(父方の叔父)。
みんなみんな、本当にありがとう。お世話になりました。

自分の歳を思えば、歳上の人たちがだんだんとこの世を去る年回りなのだと納得できる。
名残りは惜しいが、仕方がない。この世はそのようにして代謝が行われ、次の世代にいろんなバトンが渡されることで続いていくのだ。

私もひとつ、去年の暮れに渡したバトンがある。

というと大げさに聞こえるが、店の経営主権を次の世代に渡す手続きを始めた。具体的には小さなことなのだが、気持ちは大きく変わったので、それについて少し書いてみたい。

おサイフを分ける

長年、個人事業主として一人で店をやってきたので、店のメインバンクは私名義の銀行口座だった。売り上げの40%を占めるキャッシュレス決済の入金がある一方、個人的な買い物も、店の仕入れや必要な物の買い物も、カード引き落としはすべてこの口座でしていた。
個人の買い物は会計上、事業主貸とすればいいのだろうけど、資金繰り上、あまり健全ではない。

かと思えば、電気・ガス・電話料金など、昔は自家用の比率が高かったものは、かつて夫の給料を入れていた夫名義の口座からの引き落としになっていた。
店舗兼住宅に住んでいるので、これらの料金は当然家事按分になるのだが、今のままではお金の流れがわかりにくい。

事業承継にあたって、経営規模的にはまだ法人化するメリットはないのだが、少なくとも経理を担当する人が一目でお金の流れがわかるようにしておきたい。

そこで、まず事業用の口座とは別に私個人の口座を作り、おサイフを分けることにした。
公共料金の引き落としはすべて事業用の口座に集め、事業用のお金の出入りと個人のお金の出入りを分ける。私個人が使うお金は、毎月一定額を事業用口座から振り替える。
こうすることで、事業用の収支については全面的に後継者に任せることができる。

ささやかな、しかし幸せなフリーダム!

考えてみたら、ここしばらく楽しく買い物をしたことがなかった。いつも店の資金繰りを考え、支障が出ないかビクビクしながら、あるいは店にとって必要なものを優先しがちになり、自分のものは後ろめたい思いで買っていたと思う。

金額としては、2〜3万円。しかし、自分のために使えるのはうれしい。何に使ってもいいのも、うれしい。

あとは、まかせたゼ。

さて、今年やりたいこと

ウチは家族経営の小さな店だから、繁忙期には私も貴重な労働力で、遊んでいるわけにはいかない。だけど、少なくとも軸足は創作活動に移していきたいと思う。

染めたり、織ったり、紡いだり。
作品を作りたいという気持ちもあるけれど、どちらかと言えば、私はその行為そのものが好きだ。

衣服を作る、その材料となる布を織る、布を作るための糸を紡ぐ、その糸や布を染めるという一連の行為は、人類が営々と続けてきた生きるために必要な行為なのに、今その現場が見えない。
かつては人々の暮らしの近くで、これらの営みは目に見えるところにあった。自分が着ているモノがどのようにして生み出されるのか、誰もが知っていたのだと思う。

それは、そんなに特別なことではないのだ。

そして、自分の手で何かを生み出すのは、何よりも楽しい仕事だと思う。
私は、誰でもやりたいと思ったら、染めたり織ったりに自由に取り組める場所が作りたいと望んでいる。簡単なことではないが、百里の道も一歩から、と言うし。今年も染めと織りのワークショップや体験に、力を入れていきたい。

その一方、織り機に向かう時間を確保して、自分の作品を作ること。もっともっと、織りたい。ニ年後に作品展を開くことを目標にしたい。

今、気になっている技法は…
*綾織りの変化組織
*原始機(腰機)での紋織り
*カード織り
*二重織り

行きたい展示会、講習会もある。いろいろ、チャージできるといいなと思う。

#note書き初め

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