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映画#005 風と共に去りぬ

尾崎将也さんの本に出てきた名作100本のおススメより、風と共に去りぬ。南北戦争の時代に生きた強い女性のお話。昔の映画なので長め、3時間50分あります。

主人公スカーレットにもわがままで悪いところがあるのですが、いろいろと不運な状況になるのでどんどん応援したくなる。なんでその展開になるの……と言いたくなるようにどんどん追い詰められていく。さすが名作です。

戦争から逃げてきて、やっと故郷の家についたものの母は死んでいて父はそのせいで気が狂っており、家の金品はすべて盗まれ、食べ物は畑の痩せてしなびた大根しか残っていない。

その痩せてしなびた大根をひきぬき、そのままかじり、むせかえり拳を突き上げ放つセリフがまたすごい。

神よ お聞きください
この試練に私は負けません
家族に二度とひもじい思いはさせません
生き抜いてみせます!
たとえ盗みをし人を殺してでも!
神よ、誓います。
二度と飢えに泣きません!

飢えと貧しさに苦労をしたスカーレットはその後お金稼ぎをしたり人をだましたりしていろんな人を敵に回しながら、嫌いだと言い続けていたお金持ちの男と再婚します。

そして子供も産みますが、その子供も事故で死に、男のことを好きだと気づいた時には相手が心離れもう遅い!とすれ違ったまま離婚。もうなにもかも失い、どこへ行けばいいのか……と泣いていたとき、亡き父の言葉を思い出し、私には故郷の土地があったわ……とまた故郷の土を踏みしめるところでEND。

四時間のうち、主人公に救いがあったか、というと、無いんですよね……ちっとも幸せになれなかった……でも使用人にもあの人は耐える強さを持っていらっしゃる、と言われる主人公が、様々な事に耐えていく姿は胸打たれます。不満を漏らさず耐えてるようなきれいな映画じゃないんですよね(それはむしろ脇役の方)主人公がやっているのは、時に男をひっぱたいて不満を漏らしながらも、図太く頑張っている姿でした。

自分の事を大切だと言ってくれる人がいたうちに喜んで受け入れていればよかったのか。どこをたどっても主人公の持つ気質じゃ同じ結果になったのだろうか。でも、これだけの強さが無ければ戦争のこの時代を生き抜けなかったと思いますし……。強く生き抜くことって辛いのだろうか……。私たちの持つ誇りとは……。いろいろ考えさせられました。

最近の映画にはない凄みがたくさんありました。名作を観るほど勉強になる、というのがわかります。

映画100本ノック、残り95本!

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