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情念

情念は、人生のもっとも低いレベルにあります。そのレベルより下に行くことは誰もできません。そのぞっとするような湿地や奥まった暗闇のなかで、日差しを浴びたことのない生き物たちが徘徊しています。

ージェームズ・アレン全集01 しあわせと成功の鍵より

人生にはステップがあり、下の下層から上の下層まで段階があるというのがアレンの考えです。情念>向上心>誘惑>変容>超越>至福>平和というステップで、平和の境地へと到達することができると彼は言います。

情念・向上心・誘惑は情熱と哀感と悲劇に囚われているありきたりの人生。
中間に変容があり、意識の変化が訪れることで
超越・至福・平和という賢明な美しい神聖な人生へと変わっていくというのです。

地獄と天国と表現を使うならば、情念は地獄の世界。
向上心というステップは、言葉の響きはポジティブですが、
地獄から抜け出すための下層のステップに過ぎないようです。

情念への囚われから脱し、心の平和へと至るためには、他人を痛烈に批判することではなく、自我を克服することにあるとアレンはいいます。

自分自身を征服したものだけが、自由へと上昇していけるのだそうです。

ただ、情念は悪いものというわけではなく、頂点である平和を支える土台となるパワーだとも言われています。愚か者が情念を手にすると、破壊の武器となり、賢者が情念を手にすると護ってくれる武器になるというのです。情念は、天国の門を見張る、燃え盛る剣のようだとアレンはいいます。

情念のある人は他人を正そうと躍起になり、知恵のある人は自分自身を正そうとします。剣を他人に突き立てるのか、自己を守る防衛にだけ使うのか、ということなのでしょう。賢いのがどちらかは誰にでもわかるはずです。

外側を変えようとするのではなく、自分の内側を変えようとすることで世界が変容を始めます。心の平和という天上を見始めたとき、情念というステップから抜け出していく気持ちになるでしょう。

色々な人に不満を募らせ、文句を言っているうちは底辺にいるということです。
あぁ、もうこんなの嫌。平和になりたい。そう思った時、そこから抜け出す道が開け、光がさしてくるということなのでしょうね。

情念というステップは最下層であるために、それ以上、下に下がることはできません。誰もが上に上昇するしかない、というのも、この階層の特徴であります。

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