居酒屋繁盛異聞 旅が好き〜列車居酒屋〜 P53
4.関口 真奈美 センチメンタルジャーニー②
「いゃあ…マナミンきれいになったねぇ…。学生時代とは別人じゃん」
「何言ってるんですか。みゃあ先輩こそ垢抜けてオシャレな感じになっちゃって(笑)『かっこわら』」
「(笑)ってなによ(笑)って!」
ガヤガヤとにぎやかな店内でおしゃべりがつきない。
しかし…思い返せばこの一言が地雷だった!
「そう言えば…保先輩はお元気ですか?」
ダンっ!
何故かみゃあ先輩はグラスをテーブルにたたきつける。
そして…
「フラレた!」
と、叫んだ。
は?
『フラレた』
誰が?
誰に?
え?
まさか?
「ホンの一月前にフラレた! 若い派遣の娘が好きになったんだと!」
あちゃ〜……
聞いちゃダメな話題だったか……。
そうだよなぁ…
繁華街で一人ウロウロしてたんだから、察するべきだったか……。
「せ、先輩! 気を取り直して飲みましょ! 私、常々あの保先輩にみゃあ先輩はもったいないと思ってたんですよ」
かなりわざとらしく取りつくろってビール瓶を持ち上げた。
「ありがとう。お世辞でも嬉しいよー」
そこからは思い出話とフラレた相手である保先輩の悪口とフラレてしまった嘆きと……
ぐちゃぐちゃ言い合いながら二人で飲みまくったのだ。
まぁ…主に飲んでいたのはみゃあ先輩で私はお酌してただけなんだけど……。
ははは……
完全に飲ませ過ぎた……。
気がつけばみゃあ先輩は完全に潰れてるし、お酒もつまみもほぼ無い。
ははは……
笑うしかない……。
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4.関口 真奈美 センチメンタルジャーニー③ へ続く
https://note.com/yumeoka_ayako/n/na8fbf77010d7
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