一人暮らしのきっかけ2

夏の暑さの中、シャワー時に脱衣所の窓の外で大声で話す隣の家のおじさんにイライラする毎日。
我慢しなきゃいけないのが溜まりにたまっていく。

そして父の声っぽい人とおじさんが窓の外で大声で話している時にまたイライラして「うるさい!近所迷惑!!」と叫んだ。
するとすぐに「ゴミが!!」と父の声っぽい人が怒鳴った。

その後二人の笑い声。

「すみませんねぇ」
「いえいえ」
「助かります」
 と楽しそうな声の会話。
私の我慢は限界だった。

父という確証はないが、その時買い物から帰ってきた車の音は聞こえたけど家に入ってはきていなかった。
そして暴言を怒鳴っていた時期に私達のことを「家畜」「さっさと死ね、いなくなれ」と「ゴミ」とも言っていた。
おじさんの「助かります」というセリフ、引っ越してきてから深夜に家の外の道路で家族でバーベキューをして大声で騒いでいた頃も母に言っても「我慢しなさい」だった。
その頃から仲良く話していた父はおじさんの味方をしていたのではないだろうか。

頭の中でグルグルして、でも誰に言っても困らせるだけで、イライラをおさめないといけなくて。

もう無理だった。

父が毎晩暴言を吐いて暴れてる時と同じくらい、むしろ身近な敵が二人になってそれ以上だったかもしれない。
私は最近しばらくおさまっていた起きている間ずっと死にたいと思うことがまたはじまった。


次の休日、色々と無理だったので布団の上にぐったりした。
(夏だし雪山で死ねないし、泳げないから海に行って死のう。
行きの交通費だけ持っていけば、その場でやっぱりやめるってなってもどうにも出来なくて死ぬしかなくなる。
通帳は自分の部屋の見つかりやすい場所に置こう、それで向こうで姉のlineか電話で「今から死ぬから、すぐ私の口座から母の口座にお金をうつして」って言う。

でももし気づかなかったりやらなかったら?
自殺で死んだ後でも遺書に「お金は母と姉にあげてください、父には一円たりとも渡さないでください」って書いてもちゃんと移動できるだろうか)
グルグル考えて少し不安になった。
うちは貧乏なほうだから私の貯めてたお金は母に渡って欲しい。

ネットで検索してもよくわからなかった。

ふと警察への相談メールの場所があったのを見つけた。
「自殺をした場合、残ってるお金は母にちゃんと渡りますか?」
と書いて送った。

どうせ返信なんて来ないだろう、見てもくれないだろうとふて寝することにした。

10分後くらいだっただろうか、ピンポンと家のチャイムが鳴った。
母が出てしばらく話していたのでディケアの人が来たのかなと思ってボーっとしていた。
父も出て話していた。
母が姉を呼んだりしていた。
「だめだ、姉じゃないとだめだ」とか言ってた。

まだ帰らないのかなと思っていたら、私の部屋をノックされてドアが開き、姉が「警察きてるよ」と言った。

「!!」
一気に目がさめて急いで行った。

何で?と思ったけど、そういえばメールに住所と名前を書く欄があってちゃんと書いていたのだった。

女性と男性の警官ひとりずつ、近くの警察署には女性がいなかったのかちょっとだけ離れた警察署から来たらしい。
メールが届いて慌てて来てくれたそうだ。

父がいたから近くには行けなかったけど、それに察してくれたのか父が部屋に戻ったので警察のいる玄関に行った。
女性の警官の方が主に話してくれた。

どうして死のうと思ったのか聞かれたので小さい頃から父の精神的虐待のこと、それで精神障害者になったこと、今は父は昔より大人しくなったような気がすること、そして隣のおじさんがシャワーの時にずっと窓の外で大声で話していてつらいから消えたくなったことを話が下手でたどたどしかったが話した。

暴力は受けてないか腕とかお腹とか見られた。
でも身体的暴力は父が捕まるからやらないと言っていて本当に「一応」されてはいなかった。

隣の家のおじさんの話の時に母が途中入ってきて「ゴミって父が言うにはゴミ掃除をしていたみたいですよ」と言ってきたが、ゴミ掃除の時にゴミに向かって怒鳴る人間がいるだろうかと話に入ってこないで欲しいと思った。

そして特に何かして行ってくれないまま警察は帰った。
ただ警察がきたことが隣のおじさんにもわかれば良し、父が話してわかれば良し。
とりあえず抑止欲になってやめてくれるかはわからないけど小声とか違う場所でとかなるといいなと、母や姉には申し訳なかったけど少し嬉しかった。
父もいざという時に私は何もしない人間じゃないとわかっただろうし。


「毒親は閉鎖的だから良くない、話し合うとしても別の人間を入れると良い」と何かの本で読んだ。
お仕事場の相談に乗ってくれる人も「色んな人に頼っていいんだよ」って言ってくれた。

そして、どんなに話し合っても家族全員私の話は聞いてくれないし父は変わらない。


次の日、お仕事場で今回のことについて相談したら「やっぱり一人暮らししたらいいと思うよ」って言ってくれた。
最初の頃から提案してくれていたが、前にも書いたと思うけどやっぱり障害年金とお仕事場の工賃だけでは赤字になるから貯金が無くなったら生活保護を受けなきゃ一人暮らしは続けられない。

他の一人暮らしの障害の人もそうやって暮らしてるから大丈夫だよって言ってもらってもすごく申し訳ない。
障害年金を受けているだけでも贅沢なのに。

でも今回のことでもう家にいるのは無理だと思った。

あの後、しばらくは隣のおじさんは静かになったのだが数日したらまたうるさくしだした。
母は前と違って隣のおじさんが悪いと言うようになってくれたが、それはそれで母が隣と上手くつきあっていけるか申し訳ない気持ちにもなった。

とりあえずやっぱり私が消えればいいんだと思った。
それは死ぬことではなく、もっと色々な人に頼って一人暮らしをしてみることだった。
家族だけじゃなくて、自分の為にもこの家にずっといない方がいいと思った。

自殺未遂しても死ぬのはやっぱり怖くてなかなかできない。
狂うこともできない。
ちゃんとしたお仕事をして自立するにはまだ力不足。
Vtuberになるにしても今の環境では声を出しても父に聞かれる、配信出来ても土日くらい。
買い物も好きに出来ない。
シャワーも夏はまた隣のおじさんが嫌だし、時間も家族が入る時間を考慮していつもと同じ時間じゃないとダメだし長く入っていたら怒られる。
料理も出来ないし、食べ物も無かったら我慢して食べられない。

犬も、もういない。

もうこの家にこだわる理由が無かった。

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