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産婦人科探し再び【妊娠記録】

 「うちの病院は今年の11月末でお産を行わなくなるんです…」

 せっかく出会えた「ここで産みたい!」と思える産婦人科が、まさかの分娩を秋で終了してしまうという事実…。非常に残念だった。

 私の出産予定日は来年の2月。妊娠後期になる前にはこの病院には通えなくなってしまう。

 秋まで通うことは出来ないかと相談したが、病院側としては、できれば早い段階からここではない別の病院で長く通っている方がいざというときに対応しやすいとの事。
 確かに、いきなり妊娠後期の妊婦が病院に紹介状を持ってやってきたところでその病院の入院や分娩スケジュールを狂わせかねないとも感じた。

 また、ふりだし(産婦人科探し)に戻ってやり直しか…。

 私の不安そうな表情を察したのか、院長先生は大量の書類を持ってきて、通えそうな産婦人科の案内をはじめた。
 「大丈夫ですよ、ちゃんと次の病院が見つかるまでサポートしますし、医師の目線で産婦人科を紹介させてください!」
 院長先生は笑顔を絶やさず、大量資料から私の通えそうな産婦人科の地図と案内をピックアップしてきた。

 「こう見えて僕、他の産婦人科さんの先生たちとは結構面識があって、どういう方針でやってるかとか、その病院の雰囲気とかよく知ってるんですよ〜。あんまり、よその産婦人科さんの事をいい悪い言っちゃダメなんですけどね、やっぱり皆さん不安でしょうから。」

 この院長先生は本当にすごいと感じた。産婦人科医なんてものすごく多忙そうなのに、自分の仕事に貪欲というか、多角的な視野で自分の仕事を捉えられてるんだろうなぁと感心した。

 「ちなみにご出身はどちらですか?」

 私の実家は関東圏内にあるがものすごくど田舎だった。里帰りしたところで産院は一つしかないし、失礼な言い方だがものすごく古い…。不安だった為、里帰り出産は検討していなかった。
 「ご存じないと思うんですけど…」と、とりあえず出身地を伝えてみた。

 「ああ!あの□□クリニック(産院)さんがあるところねー!!良いところだよ、そのクリニック!院長先生はものすごく勉強熱心な方でね、本も出版されてて僕も全部読んだよー勉強になったなぁ」

 驚いた。
 田舎の産院の情報まで記憶しているのか、この方は…。私の目ではその産院がそこまで魅力的だとは気づけなかった。

 「このクリニックに里帰り出産っていう手も全然有りだと思いますよ。」

 この他にも私が通えそうな産婦人科をいくつか紹介してもらい、「すぐに決めなくて良いから」と言ってもらい、次の検診も一旦今の産婦人科で予約し、この日の診療は終了した。

 産婦人科探しをやり直さなくてはならないが、以前のような不安はなかった。とりあえず、帰って夫と相談してみようと思った。

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