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【紫陽花色の憂鬱-Playlist】ピアニスト 片山柊

ピアニストのプレイリスト第5回目、今月のテーマは「紫陽花色の憂鬱」です。

僕の出身地・北海道には梅雨前線の影響による「蝦夷梅雨」と呼ばれるものはありますが、梅雨は上京後の新たな経験の一つでした。むかし祖母から「梅雨時は一日中雨が降り湿気が上がって冷蔵庫のものも腐りやすくなるから気を付けて!」と聞いていたので意気込んでいたのですが杞憂に終わりました。ましてや全然雨が降らなくてそのまま梅雨明けした年もあり、僕にとってそこまで苦な季節ではありません。雨音も好きで、暇な時には部屋が濡れない程度に窓を開けて意識的に聴くことも多いです。

ただ、湿気というものは厄介で、特に楽器は湿度によってコンディションが大きく変わります。一般的に乾燥している方が良いとされていて、特にヨーロッパで作られた楽器を使用している演奏家はその辺りがシビアです。日本製のピアノは梅雨時の湿気にも影響が出ないための塗装がなされていて、その上で乾燥剤を響板に仕込んだりします。湿気が上がるとやはり楽器全体の響きが曇りメンテナンス的にも良くないので、例えば真夏に少し家を空ける時にはエアコンのドライで一定の気温をキープできるようにしています。

そんなことを考えながら生活している6月のプレイリストは、梅雨時に寄り添う楽曲が多く集まりました。アンビエント、ヒップホップ、エレクトロニカから電子音楽まで、今回も雑多な並びです。

・Hiroshi Yoshimura - Clouds

・Erika de Casier - Rainy

・Dre'es , Kiefer - 2011

・Khotin - Dialogue 6

・Bootsy Collins - Party On  Plastic (What's Bootsy Doin'?)

・Raymond Scott - IBM MT/ST : The Paperwork Explosion

・川上統 - 通り雨 

・Duval Timothy - Morning

・いとうせいこう , TINNIE PUNX - 水の子チェリー

・Brian Eno , Harold Budd - An Arc of Doves

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片山 柊 (かたやま しゅう)
北海道札幌市出身。小樽市で育ち、東京音楽大学(ピアノ演奏家コース・エクセレンス)を首席で卒業、同大学院修士課程を修了し、現在東京音楽大学演奏研究員、桐朋学園大学作曲科に在学。全日本学生音楽コンクールピアノ部門全国大会第1位、ピティナ特級グランプリおよび聴衆賞ほか受賞多数。日本各地のほか欧州での演奏会に多数出演し、東京フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団ほかオーケストラとの共演も重ね、ソロに限らず室内楽の分野でも積極的に活動している。これまでピアノを武田真理、東誠三、広瀬宣行の各氏、室内楽を藤原亜美氏に師事し、現在作曲を土田英介、加藤真一郎の各氏に師事。Web:https://syukatayama3.wixsite.com/syukatayama

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