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もしかしてこれって地元飲みの難しさ?

あまりないことではあろうけど、そういうことに遭遇したのです。以前は殆どなかったのですが、一度やると地元で飲むことも増えて、それがまた飲んだ後自宅に帰るまでが楽なので味を覚えてしまうとついついということなのです。

帰りが楽だと言うのはかなりのインパクトで、堕落しやすい私はなんだか罠にはまったような感じでもありますがワッハッハで受け止めています。しかし酒の量が多くなることは用心です。不思議なことに田舎の居酒屋さんには何故かホッピーを置いているところが少なくて、これだと結果的にアルコール量が増えてしまうので用心です。

そんな店では生か瓶ビールを飲むのですが、これが徐々に高くなりつつあるなと感じています。中瓶が一本750円に達してきたら、もうそれは私にとっては高級ドリンクの類であって、最早気軽に飲めるものではなくなってきます。まことに残念です。

しかしながら、一軒始まったかと思うと、今や三軒で楽しんでいます。そのうち一軒は品書きはあっても値段が書かれていません。それでもう五十年やっているとか。ちょっとばかり不安でしたが、結果的には周辺と似たような平凡な値段でした。

家がどこの辺りかと問われて、○○神社の横を通り抜けてとか、だいたいいつもそんな ことから、今度から何て呼べばよいのかと、いつもそんな話になります。最初はすぐ隣の店に入ろうかと(古くてちょっと好み)思ったのですが、玄関まで近づくと大きな声が聞こえてきて、小心な私はちょっと敬遠したのです。そのことを飲みつつ話すと、ああ、あそこは昔客同士で〇人事件があってね--などと言う話を聴くに至っては、その選択が間違っていなかったことを納得するのでした。不思議に気の荒い人が集まっているらしいです。地元にそんな店があるとは知りませんでした。

まあそんなことはありつつも、結局帰りにはジャガイモをお土産にもらったりと不思議な成り行きでした。チェーンんの居酒屋ではまずこういうことはありません。

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ところで、ここからが本題の話ですが、買い物に出る途中信号を待っていて、青に変わったので自転車踏みだしたら、当然止まると思っていた車がそのまま直進してきて、私の自転車の前ギリギリを突っ切って行ったのです。ボーっとしていたのかわざとなのか完全な信号無視です。

オイオイオイあんた!後ろから叫んだのですが、知らん顔して行きます。しかしすぐにまた信号があり、さすがにそこでは止まりました。ちょっとムカッと来た私はそれを追いかけて、停止している車の窓を叩いて男に言いました。

あんた、俺の前を突っ切ったろう。信号無視じゃねえか!

こういう時ですからね、はしたなくもべらんめえ言葉が出てしまったのですが、男は若いあんちゃんでした。やり返してくるかと思ったのですが、意外に恐縮している。「ああすみません、お怪我はなかったですか」などと神妙な顔つき。それくらいなら止まれよと思うのですね。どうせ次の信号に引っかかっているのです。

ところがこの男、その印象が、声とか雰囲気とか髪型とか、どこかで見かけたことがあるような気がしたのです。そうだ、居酒屋だ。確証はないが、以前居酒屋で見かけたあんちゃんと似ている気がする。別人かも知れない。しかし田舎というのはこういうことがあるのです。そもそも私が地元で飲まない理由も、一部にその辺もあるのでした。キリがなくなると言うこともあるのですが、街のどこかで誰かとトラブったりしたら、そいつと居酒屋でバッタリが無いとは言えない。店のスペースが総じて小さいので顔突き合わすのですね。

地元で飲まないことを少し疑問視する人が存在することも知っています。しかし田舎の小さな街ではやはりちょっと用心が必要かも知れない。比較的大きな街ではその心配はない。しかし夜になると明かりも疎らな小さな田舎では、ちょっとした噂が直ぐに拡がる可能性がある。そこで話したこと、行状、誰かの勘違いで、あいつどこかで何かしていた--とかの類もあります。現実に今回の信号無視あんちゃんも、結局別人かも知れない。だからそいつと思しき奴が入ってきても、そのことを店で話してはいけない。地元の居酒屋では話してはいけないことは完璧に守る。逆にそいつと遭遇して、やっぱりそいつで、お互いに気付いていながら知らぬ顔で飲むのも変なものです。この辺りが地元飲みの難しさです。

他所の街では旅の恥はなんとやらみたいなものです。かといって、何でも喋る訳じゃないですが、やっぱり地元ではない気楽さもあるのですね。


なお、写真は私の地元じゃありません。ただの信号のイメージです。

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