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好きが積み重なる内緒の職場恋愛。

あ、また目があった。

私達は同じ職場の他部署に属する、先輩後輩で、新人の私と8年目の役職持ちの彼とでは仕事中の共通点はほぼ無い。
たまに休憩時間に挨拶をする程度の仲だ。

と、職場のメンバーはそう思っているだろう。


実は違う。そんな事はない。

私達は付き合ってはいないが、LINEも交換しているし、デートも何度かした事がある。そんな仲だ。

「おはようございます」
「おはようございます」
そのやり取りですら、他の社員とは違う。いつも、ついニヤけてしまう。

他の社員からLINEを見られた事も無いし、デートを目撃された事も無い為、二人の仲を疑われる事がまず無い。

だが、いつバレるかは分からない。そのハラハラさ。
そして、彼が実際、私の事をどう思っているかすら分からない"片思い"的な、"付き合うまでの時間"的な、そのドキドキ感。

この二つが混ざる時は、たとえ職場でもマスクでは隠しきれない程ニヤけていたり、顔が赤くなっている時があるだろう。




金曜日。
「自慢したい事あるんですけど」
「え、急やな。なにそれ」
仕事中、お金のやり取りをしてる時に、周りにバレない程度の声でそう伝えて仕事に戻った。
だが生憎、その日はその話以降話すチャンスはなく、週末を迎えてしまった。


月曜日。
「自慢したい事あるって言ったじゃないですかぁ」
「あぁ、それ、いつ伝えてくれるんかと思ってた」
二人きりになったタイミングに話しかけたら、その返答が来た。
「LINEしようかと思ったんですけど〜」
「LINEする程のことでも無かった?」
いや、そこは。
そこはさ、"LINEいつでもしてくれていいのに"じゃないのかよ。
そう軽く脳内でツッコむ。

「いや、実はね」話そうとすると、人が来た。

瞬時にお互い、プライベートモードから仕事モードに切り替える。
「ではまた分からないことがあれば連絡しますねLINE Worksで」
「はいよ〜」


お互いの連絡先はLINEWorksしか知らない仲。そう周りに思わせながら、簡単に嘘をついた。

そして扉閉まる瞬間、また目が合う。



周りに嘘をつきながら、周りを騙しながら。それは良くないことだと分かっている。
だが、それを二人で共有する。
それが何より楽しいし、内緒の関係の嬉しさともどかしさ。

私達は、他部署の上司と新入社員。
でも、プライベートモードでは男と女。

好きなものに目がいくんだから、仕方ない。
仕事中だろうが、目は、想いは、混雑してしまっている。


あ、また見られてる。

彼からの視線が感じるタイミングもたまにあり、好意が伝わる。


好きが積み重なる職場恋愛から、私は逃げられない。

チョコレートに牛乳

今回は職場恋愛のエッセイにしました。
わかる人は分かるんじゃ無いかな。

そして、簡単に嘘をつける女性って怖いですね。笑

LINEWorksとは、職場だけのLINEで、個人のLINEとはまた違う。
会社側にトーク履歴を全部監視されてるLINE、だと思うと分かりやすいかと。

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