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ハートアップ 絢香×三浦大知 エッセイ

「僕と別れて欲しい」
そう言った僕はキミの顔を見れずにいた。
デート後に駐車場に停めた車内で、また今度ね。ではなく、お別れの言葉を投げた。
驚きと悲しみが襲い、少し大きめの声で何でと尋ねてくる。

「お互いの為だと思う」
「一緒に居てもお互いの為にならないと思う」
いろんな言い訳をして、思っていない言葉まで言ってしまう僕。
僕は実は分かっている。
キミは何も悪くない。
僕自身が傷付くのが嫌で、耐えられなくて、自分を護りたくて、だから嘘をついた。
「少し前から、好きじゃなかったんだ」


違うんだ。本当は違う。
でもね、答えがわからない。
この気持ちは、きっとキミとは違う。
お互いの未来の為に、一緒に居るべきではない。
キミにはもっと最適な人が居るから。きっと僕じゃない。
こんな気持ちを持っているのに、キミを縛れない。
泣きじゃくるキミに、僕はひどい言葉を投げ続けた。

学生の時から付き合って4年。
留学という遠距離もクリアし、お互いに結婚という未来を考え始めた頃だった。

全て、僕のわがままだ。
キミを縛れないなんて言うのは建前。
今は愛されてるけれど、
いつか愛されなくなる時が来るのが怖くて、僕から突き放した。

だって、僕はキミと違いすぎる。
キミは優しい。
キミは強い。
キミは謙虚で、人付き合いも良い。
賢くて、誰もが一目置く存在だ。
貴方の事を誰よりも考え、見てきた。
だから、分かったんだ。
そんなキミと僕の未来は重ならない。
だったら早いうちに、僕が傷つかない前に僕から。
きっと、キミはもっと高く飛べる。
僕はそれを知っている。

あれから3年が経った。
僕は未だにキミ以上に好きになれる人が見当たらない。
それで構わない。
だって、それ程の仕打ちをされても仕方が無いほど、キミを傷つけた。
そう、僕は最後までわがままで、
キミの気持ちを一つも考えなかった。

今ならわかる。
あの時、なんであの場所に行きたいと言ったのか。
あの時、なんであの映画を見ようと言ったのか。
今ならわかるんだ。

僕はたまに寂しくなる。
あの時の決断が間違っていたと思わない未来を作らないといけない。
それは分かっている。
けれど、また会った時に、別々の道のりでも、笑い合えるだろうか。

もしキミが今、誰かと恋をしていても僕は応援出来ない。
けれど、幸せで笑っているなら良かったと思う。
僕と別れたのが正しいのか、そんな答えは分からない。
けれど、キミを想い僕は願う。
キミの赤い糸が他の誰かと繋がって…
この感情が繰り返される。


割れたまま私のハートは
つなぐ材料に愛があれば
胸の痛み キミの物語
赤い糸は他の誰かへ
繋がって‥
だから 傷つくのはもうやめた
空を見上げ また会うかな?
交差した道を進め 別々の道のり
もっと高く 飛びはねるメロディ
キミを想う 寂しくなる
繰り返す

歌:絢香×三浦大知
リリース:2018.2
作詞:絢香
作曲:絢香

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