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幽体離脱ってしたことある?自分からの脱皮を経験したハナシ

あれは、もう10年以上前だった気がする。
東京のとある有名なエステ店で施術を受けていた時、それはいきなり起こった。幽体離脱したのだ。

「わたし、自分から出てしまった!!」

ちょっと滑稽な感想だが、素直に「出ちゃった、どうしよう」という驚きや感動、そして戸惑いの入り混じったきもちだった。

なぜ今そんなことを思いだしたかというと、今年にはいって自分のアイデンティティを模索する毎日にちょっと疲れていた。なりたい自分になれてるのか?このままでいいのか?という何かやらねば症候群にかかっている。

自分から脱皮して、もっとすごい自分に生まれ変わりたい。そう思った時にふと、10年前に幽体離脱した記憶が蘇ってきた。その当時の私もちょうど自分のアイデンティティが分からず悩んでいた。

そもそも幽体離脱ってなんなのか?ウィキペディアで調べたら「体外離脱」とでてきた。

体外離脱(たいがいりだつ)あるいは体外離脱体験(たいがいりだつたいけん、体脱体験とも、英: Out-of-body experience、略称: OBE または OOBE)とは、自分の肉体から抜け出た世界を体験することである。体外離脱は自己像幻視(英: Autoscopy)の一形態だが、この用語は一般的にはドッペルゲンガーなどの二人目の自分を見るという病的状態を指す。
                                                出典:ウィキペディア

【二人目の自分を見るという病的状態を指す】…
たしかに、あの時の自分は正常ではなかった。幽体離脱をする直前、私は誰かに耳元でずっとなにかを囁かれていた。それも一人じゃない。甲高い声、妖精か宇宙人か?日本語でも外国語でもない、デタラメな言葉たち。「自分から出ちゃいなよ、ほら、早く出ようよ」そんなふうに言ってる気がした。

苦しくてつらかった。まるで高熱がでた時、目の前がグルグル回って三半規管が全く機能してないような感覚。
それでも、妖精か宇宙人みたいな誰かが「早く出ようよ!」と応援(?)してくる。そして私は無理やり背中をおし出されるようについに自分から出た。

気づいたら、自分の脚がみえた。実際はエステの施術中なので仰向けで寝ており、見えるはずはない。
「ゆうたいりだつ〜」の一発ギャグでおなじみのザ・タッチのような感じで、完全に出たというよりは上半身だけ起き上がった感じだ。

その時、「終わりましたよ、おつかれさまでした」
エステティシャンの女の人の声がして私はハッと目を開けた。仰向けで寝ていて、目の前には天井があった。

あれはなんだったんだろう…でも、一瞬だったがすごく勇気がわいてきた。自分で自分を褒めたいような、不思議なきもち。ぼんやりしながら「さっき幽体離脱しちゃったかもしれません」とエステティシャンの人に伝えた。

「えー!すごいです!おめでとうございます!自分の殻をやぶって新しい自分になられたんですよ」と興奮気味にいわれた。なんだか恥ずかしいが嬉しかった。

私の受けていた施術は、クレニオセイクラルといって脳の脊髄を流して老廃物を流したり自律神経を整えたりする効果があるのだが、同じ施術を受けた人は不思議な体験をする人が多いという。空を飛ぶ感覚になる人が多いそうだが、幽体離脱する人もいるそうだ。

きっと、自分ってなんなのか?もっと新しい自分に生まれ変わりたい!と強く思ったことがこんな不思議な体験へと結びついたのかもしれない。そのあと、私は自分の好きなことをたくさんやった。ゴルフをはじめたり資格をとったり、今思えば行動に勢いがあったなぁと思う。

そしていま、この体験を思い出したということはまた幽体離脱という名の脱皮をすべきタイミングなのかもしれない。「がんばれ!早くでちゃいなよ!」耳元で囁いてくれた誰かの声を思い出しながら、がんばろう。



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